クスノキ科
Lauraceae
シナニッケイ
Cinnamomum cassia (L.) D.Don
- 別名
- トンキンニッケイ,アシア,ケイ
- 英名
- Chinese cassia, Chinese cinnamon
- 中国名
- 肉桂
- 花期
- 5~7月
- 生薬名
- ①桂皮(ケイヒ)【局】,②桂枝(ケイシ),③肉桂子(ニクケイシ)
- 薬用部位
①樹皮または周皮の一部を除いたもの,②枝,③果実
- 成分
樹皮にフェニルプロパノイド(cinnamaldehyde),ジテルペン(cinncassiol A),タンニン(procyanidin類,cinnamtannin類)
- 産地と分布
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中国の福建省,広東省,江西省,雲南省,ベトナム北部,インドネシアに分布し,山地の斜面,砂地などに生える.
- 植物解説
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常緑高木.樹高10~17 m.樹皮は灰褐色で芳香がある.葉は互生し,長楕円形から広披針形で長さ8~20 cm,尖頭で全縁,基部は鈍形.枝端と葉腋に黄緑色の小さな花を円錐花序に付ける.果実は楕円形か倒卵形で先端はくさび形,暗紫色に熟する.
- 薬効と用途
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桂皮は漢方における重要な薬物である.発汗,降気(漢方でいう「気」を降ろす),鎮痛作用があり,カゼの症状,肩や背中の痛み,関節痛,月経不順などに用いる.中国では樹皮を肉桂,枝を桂枝と呼び別の生薬として扱われる.肉桂は体内を温め,桂枝は体表を温めるとされるが,日本でいう桂皮は両者を合わせたものと認識されている.漢方処方では安中散,六君子湯,大建中湯などをはじめ,多くに配合される.
中国を中心に輸入されるが,大部分は香辛料としてソースなどの原料に利用されている.
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