熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ブナ科
Fagaceae
ミズナラ
Quercus crispula Blume
別名
オオナラ
ミズナラ
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  • ミズナラ
  • ミズナラ
  • ミズナラ
英名
No Information
中国名
No Information
花期
4月
生薬名
①樸樕(ボクソク)【局】
薬用部位

①樹皮,②葉

成分

樹皮にタンニン(mongokicin A, B),フラボノイド(quercetin)

化学構造式

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  • ミズナラ 化学構造式1
  • ミズナラ 化学構造式2
  • ミズナラ 化学構造式3
産地と分布

北海道から九州,およびサハリン,南千島に分布し,山地に生える.

植物解説

落葉高木.樹高30 mに達する.幹は直立し,樹皮は厚く,灰褐色.葉は互生し,長さ7~15 cmで倒卵形または倒卵状長楕円形,大型で鋭頭の鋸歯を持ち,柄はごく短い.雌雄同株.雄花序は新枝の基部から数本出て下垂し黄褐色.雌花序は新枝の上方葉腋につき,1~3個の雌花を付ける.堅果は卵状楕円形,殻斗は深い椀状.

薬効と用途

樹皮は駆瘀血(体の血の滞りを消す),止瀉(下痢止め),解毒作用があり,腫瘍,痔,下血,打ち身,下痢などに用いる.漢方処方では,十味敗毒湯,治打撲一方などに配合される.葉は下痢,黄疸,急性腸炎,気管支炎,小児の消化不良,痔疾に用いる.
コナラによく似るが葉柄がごく短いこと,葉の幅が広いことが異なる.また,コナラより冷涼な地域に生える.

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