熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ナス科
Solanaceae
ベラドンナ
Atropa bella-donna L.
別名
オオハシリドコロ,セイヨウハシリドコロ,オオカミナスビ
ベラドンナ
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  • ベラドンナ
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英名
belladonna, deadly nightshade
中国名
顛茄
花期
8~9月
生薬名
①ベラドンナ根(ベラドンナコン)【局】,②ベラドンナ葉(ベラドンナヨウ),顛茄(テンカ)
薬用部位

①根,②葉

成分

アルカロイド((-)-hyoscyamine, atropine, (-)-scopolamine)

化学構造式

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  • ベラドンナ 化学構造式1
  • ベラドンナ 化学構造式2
  • ベラドンナ 化学構造式3
産地と分布

ヨーロッパ,西アジア,ヒマラヤ山系に分布し,ヨーロッパ,中国などで栽培される.

植物解説

多年草.草丈1~2 m.根茎は粗大.茎は直立し,上部で分枝する.葉は下部で互生,上部で叢生し,卵形か楕円形で長さ5~22 cm,革質で全縁,やや尖頭.葉腋に青紫色の鐘状花を単生する.液果は球形で黒熟する.

薬効と用途

根や葉は古くから鎮痛,鎮痙,止汗,散瞳,催眠薬として,胃潰瘍,神経痛,百日咳などに用いたが,含有アルカロイドは毒性が強いので民間で使用してはいけない.含有成分のアトロピンは代表的な副交感神経遮断薬で,胃・十二指腸潰瘍,胆管・尿管の疝痛,胃腸の痙攣性疼痛などに皮下注射,または服用する.医薬品では硫酸アトロピンとして利用される.眼科の散瞳薬としても用いる.

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