熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

キジカクシ科
Asparagaceae
ナルコユリ
Polygonatum falcatum A.Gray
別名
ホソバナナルコユリ,ハガクレナルコユリ,ノスズラン
ナルコユリ
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  • ナルコユリ
  • ナルコユリ
英名
Japanese Solomon’s seal
中国名
No Information
花期
4月
生薬名
黄精(オウセイ)【局】
薬用部位

根茎

成分

キノン(polygonaquinone),粘液質

化学構造式

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  • ナルコユリ 化学構造式1
産地と分布

本州関東地方以西,四国,九州,および韓国に分布し,山地の林下に生える.

植物解説

多年草.草丈40~140 cm.根茎は数珠状,径5~15 mm.茎は円柱形で,上部で弓状に曲がり,稜角がない.葉は線状披針形~披針状長楕円形,長さ7.5~23 cm,幅1~4(~4.5)cm,裏面の脈状に低い乳頭状突起があるか脈はほとんど平滑,葉柄は短いか不明瞭.花序は2~6花からなり,散形状.花序柄は長さ0.7~3 cm.花糸の下部は平滑,最上部の背軸側に乳頭状突起,他の上部域にいぼ状突起がある.液果は径0.7~1 cm.

薬効と用途

滋養強壮,補気作用があり,胃腸虚弱や慢性の肺疾患,食欲不振,咳,糖尿病などに用いる.リウマチや痛風などで体が弱っている人にもよい.焼酎漬けは強壮作用があり,体力が付く.砂糖漬けにした黄精飴,焼酎漬けの黄精酒などがあり,江戸時代には滋養強壮薬としてブームになった.現在でも東北地方でエキスを配合した黄精飴が売られている.
よく似たアマドコロと違い,茎が丸く,より暗い場所に生える.

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