カヤツリグサ科
Cyperaceae
ハマスゲ
Cyperus rotundus L.
- 英名
- nutgrass, purple nutsedge
- 中国名
- 香附子,莎草
- 花期
- 7~10月
- 生薬名
- ①香附子(コウブシ)【局】
- 薬用部位
①根茎,②種子
- 産地と分布
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関東以西の日本各地,およびほとんど全世界の温,暖帯に分布し,砂浜や河原など日当たりの良い砂地や原野に生える.
- 植物解説
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多年草.細長い地下茎を伸ばして繁殖し,その先端に塊茎を作る.葉は数枚叢生し,狭い線形で光沢があり,やや硬質で深緑色,下部は鞘となって茎を包む.葉間から花茎を直立し,頂端に狭線形の包葉2~3枚を付け,その中心から長短不同の花序の枝を数本出す.小穂は濃い赤褐色で光沢があり,10数花を2列に付ける.
- 薬効と用途
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根茎は止痛,通経,鎮静作用があり,頭痛,筋肉痛,腹痛,肩こり,月経不順や月経痛,気分の塞がり,イライラなどに用いる.漢方処方は香蘇散,川芎茶調散,香砂平胃散などに配合される.また,歯茎の腫れや出血には,種子の粉末に食塩を混ぜて歯茎をマッサージする.
救荒植物として肥大した根茎を澱粉原料にして食した記録もある.かつては熊本県でも相当量が出荷されていた.繁殖力が強く除去しにくいことから,畑の害草として知られる.
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