キク科
Asteraceae
シマカンギク
Chrysanthemum indicum L.
- 別名
- アブラギク,ハマカンギク,オキノアブラギク
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- 英名
- Indian chrysanthemum
- 中国名
- 野菊,油菊
- 花期
- 11~12月
- 生薬名
- 菊花(キクカ)【局】
- 薬用部位
頭花
- 産地と分布
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本州近畿地方以西,四国,九州,および朝鮮半島南部,済州島,中国,台湾に分布し,山地,丘陵地の道端,荒地,林縁などに普通に生える.
- 植物解説
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多年草.草丈30~60 cm.根茎は横走し,匐枝を付ける.茎は細く,基部はやや倒伏し,通常帯紫黒色で頂部まで葉を付ける.葉は互生し,卵円形か長円状卵形で長さ4~6 cm.羽状に5中~深裂し,裂片は尖頭鋸歯縁.茎の頂に淡黄色の舌状花と深黄色の筒状花からなる頭花を付ける.
- 薬効と用途
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抗炎症薬として咳,結膜炎,上気道炎,鼻閉などに用いる.目の充血,かすみ目,視力低下などの眼性疾患や,高血圧,イライラ,頭のふらつき,めまいなどにも良い.漢方処方では杞菊地黄丸,釣藤散,清上蠲痛湯などに配合される.
頭花を蒸留して得た精油は「薩摩の菊油」と称され,島津家の秘薬であった.霍乱(日射病),腹痛には数滴を水に浮かべて服用され,傷口の防腐剤として塗布された.長崎県では頭花を油に浸して傷薬とした.
日本では慣例でキク(C. moriforium)と同じ生薬として用いるが,本種はより苦く,清熱作用が強い.そのため中国では別の生薬として扱われる.
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