熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ハマウツボ科
Rehmanniaceae
ジオウ
Rehmannia glutinosa (Gaertn.) Libosch. ex Fisch. et C.A.Mey.
別名
アカヤジオウ、カイケイジオウ
ジオウ
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英名
glutinous rehmannia
中国名
地黄
花期
4~6月
生薬名
地黄(ジオウ)【局】
薬用部位

根,またはそれを蒸したもの

成分

イリドイド(glutinoside, catalpol),モノテルペン(rehmaionoside 類)

化学構造式

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  • ジオウ 化学構造式1
  • ジオウ 化学構造式2
  • ジオウ 化学構造式3
産地と分布

中国の河南,浙江,江蘇,安徽,山東,河北,遼寧,山西,陜西,湖北,湖南,四川各省,内モンゴル各省に分布し,山道,道端,荒地などに生える.

植物解説

草丈15~60 cm.根茎は肥厚し,円柱形か紡錘形になる.茎は直立し,単一か基部で少数分枝する.根生葉は叢生し,倒卵形か長楕円形で長さ5~15 cm.鈍頭で不整鋸歯牙縁.花期は4~5月.茎頂に紅紫色,ときに淡黄色の筒状花を総状花序にややまばらに付ける.
日本薬局方をはじめ日本の書物では,アカヤジオウ,カイケイジオウ,シロヤジオウなど細分されているが,最近の中国では母種のR. gultinosaに一本化されている.

薬効と用途

根をそのまま乾燥したものを乾地黄,蒸して乾燥したものを熟地黄と称し,本来別の生薬として扱われる.乾地黄は体の水分を補う作用(補陰)があり,乾燥性の咳,皮膚の痒み,乾燥性の便秘,手足のほてり,口の渇きなどに用いる.熟地黄は血液を補う作用が強く,生理不順,貧血,立ちくらみ,不眠症,不妊症などに用いる.
熟地黄と乾地黄は日本薬局方では区別されておらず,また,地黄が配合される一般用漢方処方の多くで,その区別が明記されていない.用途によって適宜使い分ける必要がある.

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