ミカン科
Rutaceae
ゴシュユ
Tetradium ruticarpum (Juss.) T.G.Hartley
- 別名
- ニセゴシュユ
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- 英名
- medicinal evodia
- 中国名
- 呉茱萸
- 花期
- 7~8月
- 生薬名
- ①呉茱萸(ゴシュユ)【局】
- 薬用部位
①果実,②葉
- 成分
① にはアルカロイド(evodiamine, rutaecarpine, higenamine),トリテルペン(evodol)
- 産地と分布
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中国原産で,享保年間に日本に渡来し,薬木として各地に植栽される.日本にあるのは雌木だけである.
- 植物解説
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落葉低木.樹高3 mに達する.葉は対生し,7~8個の小葉からなる奇数羽状複葉,小葉は楕円形,長さ10 cm内外,全縁.先端は急に尖り,葉裏や葉柄に柔毛あり,雌雄異株.円錐花序を出し,緑白色の小さな花を付ける.果実は紫赤色.
- 薬効と用途
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果実は体を温め胃の働きをよくする作用があり,胃内停水,吐き気,頭痛などに用いる.漢方処方では呉茱萸湯,温経湯,当帰四逆加呉茱萸生姜湯などに配合されている.果実の新しいものは嘔吐を催すことが多いので,採取後1年以上経過したものを用いる方がよい.根は駆虫作用があり,回虫,ぎょう虫の駆除に用いる.葉は鎮痛作用がある.果実と葉は浴湯料としてもよい.
2017年発効の世界アンチ・ドーピング規定「禁止表国際基準」に明記されたアルカロイドのヒゲナミンは,本種果実にも含まれる.そのため、ヒゲナミンが含有することを知らずに本種が配合された漢方処方等を服用することで規定違反になる可能性がある。
熊本県山都町(旧矢部町)では平成の初期まで栽培,出荷されていた.日本最後の生産地であった.
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