熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ナス科
Solanaceae
クコ
Lycium chinense Mill.
クコ
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英名
matrimony vine, Chinese wolfberry
中国名
枸杞
花期
6~11月
生薬名
①枸杞子(クコシ)【局】,②地骨皮(ジコッピ)【局】,③枸杞葉(クコヨウ)
薬用部位

①果実,②根皮,③葉

成分

① にはアルカロイド(betaine),カロチノイド(carotene, zeaxanthin)
② にはアルカロイド(kukoamine A, betaine)

化学構造式

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  • クコ 化学構造式1
  • クコ 化学構造式2
  • クコ 化学構造式3
産地と分布

本州,四国,九州,沖縄,および朝鮮,中国,台湾に分布し,低地の土手や溝縁に生える小形の落葉低木.

植物解説

樹高1~2 m.幹は直立せず少し分枝して伸長,葉腋に短枝状の刺枝がある.葉は節に叢生し,楕円形から狭長楕円形で長さ2~4 cmで全縁,軟質で無毛.葉腋に淡紫色か白花の小さな花を単生,まれに叢生する.

薬効と用途

果実は強壮,目の症状改善作用があり,虚弱,腰膝の疼痛,無力感,めまい,頭痛,かすみ目などに用いる.また,疲労回復用に焼酎漬けを服用する.根は清熱,滋養作用があり,慢性的な微熱,盗汗,糖尿病や高血圧,咳や痰などに用いる.葉は強壮薬として,また動脈硬化や高血圧の予防薬として民間的に茶剤とされる.漢方処方では,果実が杞菊地黄丸などに,根が滋陰至宝湯,清心蓮子飲などに配合される.
若葉はあえ物,炊き込みご飯,天ぷらにして食べる.果実はデザートや菓子の材料に使われ,特に杏仁豆腐の添え物として知られる.

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