熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

サトイモ科
Araceae
カラスビシャク
Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb.
別名
ハンゲ
カラスビシャク
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  • カラスビシャク
  • カラスビシャク
  • カラスビシャク
英名
crowdipper
中国名
半夏
花期
4~5月
生薬名
半夏(ハンゲ)【局】
薬用部位

塊茎

成分

フェノール類(homogentisic acid),リグニン(burselignan, isolariciresinol)

化学構造式

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  • カラスビシャク 化学構造式1
  • カラスビシャク 化学構造式2
  • カラスビシャク 化学構造式3
産地と分布

北海道から九州,および朝鮮,中国に分布し,畑地の雑草として普通に生える.

植物解説

多年草.地下に径1 cm内外の球茎があって,1~2枚の葉を出す.葉柄は長く中央部にしばしばむかごを生じる.葉は3出複葉,花茎の先に肉穂花序ができ,草丈40~60 cm.

薬効と用途

健胃,止嘔作用があり,嘔吐,つわり,食欲不振,胃内停水などに用いる.えぐ味が強いがショウガと同煎すると刺激が和らぐとされる.漢方処方では,小半夏加茯苓湯,半夏厚朴湯,半夏瀉心湯などに配合される.
嫁の地位が低かった昔,つわりの薬として嫁が掘り取って集めた.しかしこれを自分で服用せず,薬屋に売って自分のヘソクリにしたことから,ヘソクリという別名がある.

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