ユリ科
Liliaceae
オニユリ
Lilium lancifolium Thunb.
- 英名
- tiger lily
- 中国名
- 卷丹
- 花期
- 7月
- 生薬名
- 百合(ビャクゴウ)【局】
- 薬用部位
鱗茎
- 成分
サポニン(ophiopogonin D, brownioside, deacylbrownioside),その他(salicylic acid),澱粉
- 産地と分布
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北海道から九州,および朝鮮,中国,チベットに分布し,山地の林縁,道端,草地などに生え,食用,観賞用に栽培もされる.
- 植物解説
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多年草.草丈1~2 m.鱗茎は白色で広卵形,鱗片は卵形.茎は直立し,太い円柱形で帯紫色.葉は互生し,広線形から線状披針形で長さ5~18 cm,無柄で葉腋に濃褐色のむかごを付ける.梢上に橙赤色で濃色斑のある花を4~20個下垂して付け,花被は著しく反巻する.
- 薬効と用途
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鎮咳去痰,精神安定の作用があり,乾燥性または熱を伴う咳,喉の渇き,熱病により生じる精神不安,動悸,不眠などのほか口内炎,日射病などに用いる.漢方処方では,辛夷清肺湯などに配合される.
観賞用に栽培され,鱗茎は「ゆりね」として食用にされる.よく似たコオニユリ(Lilium leichtlinii f. pseudotigrinum)は葉腋にムカゴを付けないが,本種は付ける.また,コオニユリは岩場によく生えるが,本種は畑のあぜ,土手などによく見られる.
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