マメ科
Fabaceae
ウラルカンゾウ
Glycyrrhiza uralensis Fisch. ex DC.
- 英名
- Chinese licorice
- 中国名
- 甘草
- 花期
- 6~7月
- 生薬名
- ①甘草(カンゾウ)【局】,②炙甘草(シャカンゾウ)【局】
- 薬用部位
①根およびストロン,②甘草を炙ったもの
- 成分
①にサポニン(glycyrrhizin, licorice-saponin A~L),フラボノイド(isoliquiritin apioside)
- 産地と分布
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ロシアのウラル地方,モンゴル,および中国北部に分布し,日本でもまれに栽培される.
- 植物解説
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多年草.草丈30~80 cm,時に1 mに達する.根茎は円柱形で横走し,主根は長く粗大.茎は直立し枝は帯木質.葉は互生し,長さ8~24 cm,奇数羽状複葉で小葉は5~17個,倒卵形から楕円形.葉腋の総状花序に淡紫色花を多数密生する.果実は湾曲し,腺状突起でおおわれる.
同じく薬用にされる同属のスペインカンゾウ(G. glabra)は小葉が小さいのに対し,本種は小葉が大きい.
- 薬効と用途
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漢方処方で最も多く配合される薬物である.鎮静,滋養強壮,鎮咳,去痰など多くの作用があり,四肢や腹部の筋肉の痛み,胃腸機能や体力の低下,咽喉部の炎症や痰,咳など様々な症状に用いる.「百薬の毒を解す」と言われ,他の生薬の刺激性を緩和し,調和する.炙った炙甘草はその力が増し,滋養強壮作用も強くなる.痔の痛みには煎液を患部に何度も付ける.
主成分のglycyrrhizinは非常に甘く,甘味料として醤油,たばこ,料理に利用される.
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