熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

アケビ科
Lardizabalaceae
アケビ
Akebia quinata (Houtt.) Decne.
アケビ
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英名
five leaf akebia, chocolate vine
中国名
木通
花期
3~4月
生薬名
①木通(モクツウ)【局】,②預知子(ヨチシ)
薬用部位

①つる性の茎,②果実

成分

①にサポニン(akeboside類)

化学構造式

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  • アケビ 化学構造式1
  • アケビ 化学構造式2
  • アケビ 化学構造式3
産地と分布

本州,四国,九州,および朝鮮,中国に分布し,山野に生える.

植物解説

落葉のつる性木本.つるは長く伸長し左巻き,樹皮は暗褐色.葉は互生し長柄があり,5小葉からなる掌状複葉で,小葉は長楕円形または長倒卵形である.短枝の先から総状花序を下垂し,先の方に雄花,基部に雌花を付ける.花に花弁はなく,3個の萼片は淡紫紅色である.果実は長楕円形で甘く,食用とする.
アケビ(A. quinata)は鋸歯がない小葉が5枚でるが,ミツバアケビでは粗い鋸歯がある小葉が3枚出る.雑種のゴヨウアケビ(A. pentaphylla)は粗い鋸歯のある小葉が5枚出る.

薬効と用途

アケビとともに生薬木通の基原植物である.つる性の茎は消炎,利尿,清熱,通経作用などがあり,膀胱炎,排尿障害,浮腫,尿道炎,月経不順などに用いる.声がれや難聴にも用いる.漢方処方では竜胆瀉肝湯,五淋散,通導散などに配合される.果実は鎮痛,消炎作用などがあり胸脇疼痛,月経痛などのほか,乳汁不足,淋病,目の炎症,特に涙腺の炎症などに用いる.
種子を包む胎座は甘く,子供のおやつとして親しまれた.果肉は食用として知られるが,果肉を抜いた果実の中にひき肉を詰めて調理したものは「アケビの肉詰め」として知られる.つる状の若芽は湯がいてごま和えにして食べられる.蔓は強靭であり籠などの細工に用いられる.

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