1.血液脳関門の分子機能解明
2.悪性腫瘍のバイオマーカーと新しい診断
3.生体関門透過DDS開発
4.疾患とトランスポーター機能の解明
5.定量的標的プロテオミクス技術開発

　個別化治療の実現と薬剤耐性の克服は病原細菌とがんの双方の化学療法にとって最優先課題である。我々は病原細菌とがんの共通のメカニズムに注目すると共に定量的標的プロテオミクスの独自技術を応用することによってタンパク質レベルから薬剤感受性と耐性化メカニズムの解明を行う。また、独自技術を駆使することによって従来技術では定量できなかったマーカー候補タンパク質を評価し、さらに複合的マーカーによる診断精度の向上を行う。基礎研究から得られた成果を最終的に臨床応用することで患者のQuality of Lifeの向上に寄与することを目指す。
　薬剤感受性機構は複数の分子が関わる複雑な機構である。このようなタンパク質ネットワークの解析にはオミクス解析が必須である。しかし、従来技術は感度や定量性の問題から充分な解析を行う事ができなかった。我々が独自に開発した定量的標的プロテオミクスは感度と定量性に優れたタンパク質定量技術であり、新しい定量的タンパク質科学を開拓することができる。我々は本技術を次世代タンパク質診断技術として応用するための技術開発研究を行い基礎研究との融合を進める。