熊薬ミュージアム内に展示されているパネルをご紹介します。
薬用植物と薬
私達人間は、太古から身近な植物を生活に利用してきました。なかでも健康の維持あるいは病気やケガの治療の際に,薬や薬の原料として利用されてきた薬用植物は,私達の祖先の使用経験に基づいて集約・伝承されてきた人類の貴重な財産であります。


 野山で採取する際あるいは一般に購入する際は、植物の特徴をしっかりと理解しておくことが必要です。
たとえば、 葉、花、実、樹皮、根など薬として利用する部位によって採取時期が異なったりします。有毒植物や疑わしい植物は絶対に採取しないで下さい。
さらに,貴重な植物を次の世代に継承するためには,必要以上に採取しないだけではなく,採取場所に再び育つように種子をその場所にきちんと落してから採取して下さい
 薬用植物は一年中利用できるわけではありません。長期に利用したいときは、乾燥して保存します。
1)異物、ゴミ等を取り除く。
2)雨を避けて風通しのよ いところで乾かす。
3)カビには十分気をつける。
4)硬いものは乾燥する前に使いやすい大きさに刻んでおく。
5)保存は紙袋に入れ、密封し乾燥剤の入った缶等に入れ、遮光した冷暗所に保存する。
 土瓶(焼き物)や耐熱ガラス等の鍋等を用いる。
(金属製のものは、有効成分と反応することがある)


 薬用植物を用いた「薬」には、いろいろな種類があります。目的に応じ、どれを使うか選ぶことができます。
 薬の使用は、薬剤師や医師に相談して下さい。(薬局での薬の相談は無料です)
 日本及び世界中で、植物、動物、鉱物を利用し、昔から言い伝えられてきた薬です。ハーブは西洋の民間薬にあたります。世界各国にその地域特有の民間薬が伝承されています。
【例】センブリ、ゲンノショウコ、アロエ、 ラベンダー等
 植物、動物、鉱物の全体又は一部を乾燥・加工したもので、民間薬、漢方薬等の薬の原料に用います。
【例】陳皮、肉桂、杏仁、黄連 等
 漢方薬は中国から伝承してきた理論を基本に日本で体系づけられた薬です。その人の体質などをあらわす「証(ショウ)」に合わせて一種から数種の生薬を配合します。中医薬は中国で発展し体系づけられたもので、生薬を薬として用います。韓方薬は韓国で体系づけられた薬です。
【例】葛根湯 等
 病院で医師の診断を受け処方してもらう漢方薬です。
 薬局、薬店で購入できる漢方薬、民間薬です。
 薬に主に用いるもの、食に主に用いるもの、薬と食の両方に用いてもよいものに分かれています。販売等の際には十分注意する必要があります。 【例】柴胡、い草、甘草、桂皮、生姜、人参 等