活動報告

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第1回 エコファーマ中央官庁研修

 8月31日(月)に薬学科4年生1名、創薬・生命科学科4年生1名、薬学科3年生2名、創薬・生命科学科3年生2名、引率教員1名の計7名で厚生労働省と環境省を訪問し研修を行いました。本研修の目的は、視野を広げて国政への意識を高め、国際的かつ薬学的視点から環境問題に取り組む姿勢を育むこと、環境分野における薬学の役割と現状を把握し、今後取り組むべき課題を見出すこと、その過程でこれまで薬学部で受けた教育を振り返り、今後の学習・研究活動に生かすことです。

 まず厚生労働省の医薬食品局を訪問し、近藤恵美子 総務課課長補佐にお話を伺いました。近藤様ご自身も薬学部のご出身とのことで、まず厚労省の概要を説明して頂き、その後ご自身の現在のお仕事やこれまでのご経験、薬学部出身者の役割について伺いました。続いて、環境中有害化学物質の毒性試験、未評価化学物質の取り扱い、医薬品開発の援助と審査などについて聞かせて頂き、治験と人権などについても考えることができました。また、サリドマイドの再承認のお話を聞き、副作用を防止して有効性を確保するためのルール作りとその順守の大切さを実感しました。

 お昼を挟んで午後からは、環境省を訪問し、廃棄物リサイクル対策部、総合環境政策局、環境保健部、地球環境局、および水大気環境局の担当者の方からそれぞれ30分づつ各部局の取組について伺いました。廃棄物リサイクル対策部では、循環型社会構築に向けての施策とリサイクルおよび廃棄物処理の現状について伺いました。総合環境政策局では、主に経済的視点からのお話を伺い、経済を活性化させつつ、環境対策を行うことの大事さを聞き、環境的視点だけでなく様々な視点から物事を考えることが大切だと実感しました。環境保健部では水俣病救済の流れを説明していただき、薬学的立場とはまた別の政治的立場から救済が長引いたり、問題になった原因を考えることができました。地球環境局では、地球温暖化の現状とその抑制に向けた国際的枠組み作り、および低炭素社会構築に向けた施策についてお話を伺いました。この部局では国際的な話題が多く、世界で協力して環境問題に取り組んでいるということを肌で感じました。水大気環境局では、主に大気汚染のお話を聞き、微小粒子状物質の健康影響や、有害大気汚染物質の対策がまだ十分でなく、有害な可能性のある物質がまだたくさんあるという問題について教えていただきました。

 この研修を通して、環境問題についていろいろな分野や国際的立場から見ることができ環境についてより深く考えることができました。また、化学物質の環境や人体への影響の問題を改めて実感し薬学生としてその問題に取り組んで行きたいと思いました。

 なお、研修内容については、11月3日(火)の薬学展においてポスターで発表し、さらに11月9日(月)には、公開の報告会を開催して口頭で発表しました。

研 修 日 程 : 平成21年 8月30日(日) 〜 31日(月) 
ポスター発表: 平成21年11月3日(火) 
          於 熊本大学薬学部 宮本記念館 カンファレンスルーム
口 頭 発 表 : 平成21年11月9日(月)
           於 熊本大学薬学部 大江総合研究棟 多目的ホール


研修の手引き (pdf)
研修報告ポスター(pdf)
研修報告スライド (pdf)

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