温度感受性TRPチャネルの
機能調節・生物学的役割について、
体温に注目して研究しています
それぞれの温度感受性TRPチャネルの活性化温度域。TRPC5、TRPM8、TRPA1は温度の低下で、その他は温度の上昇(高温におけるTRPA1も含む)により活性化します。いずれも、劇的な温度変化のない組織(赤字)に発現していますが、そのような組織での体温における活性の調節機構、生理機能については不明な点が多く残されています。
TRPM2のCa²+結合部位にCa²+が結合するとTRPM2の活性化温度閾値が低下しますが、TRPM2リン酸化はこのCa²+の作用に拮抗することでTRPM2が活性化する温度(活性化温度閾値といいます)を上昇させることが分かりました(左図;野生型)。リン酸化部位であるスレオニン残基(Thr738)を、リン酸化を受けないアラニン(Ala)に置換するとリン酸化の効果が消失し、リン酸化を模倣する変異(アスパラギン酸;Asp)によりリン酸化の効果が再現されました。またTRPM2の立体構造より、Thr738(マゼンタ)は、Ca²+結合部位(赤)の近くに位置していることが分かります(右図)。このような、温度感受性TRPチャネルの調節機構を分子レベルで明らかにする研究を行っています。
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