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当研究室の研究成果が熊本日日新聞(平成24年11月16日付)に紹介されました。

2012/11/16

新型の抗菌物質開発 熊本大・崇城大グループ2012年11月16日

 

新型の抗菌物質開発 熊本大・崇城大グループの写真、図解
熊本大薬学部の丸山徹教授(50)=医療薬剤学=と崇城大薬学部の小田切優樹教授(69)=薬物動態学=らの研究グループが、一酸化窒素と血中に含まれるタンパク質からなる抗菌物質を開発した。抗生物質が効かない耐性菌にも有効で、院内感染や感染症対策につなげたいとしている。

研究結果は米科学誌オンライン版に掲載された。丸山教授らは体内で発生する一酸化窒素が体を細菌から防御する働きに着目。ただ、通常はガス状の一酸化窒素を体内に取り込むのは難しいため、細菌感染した体内の部位で増え生体防御機能を持つアルファ1-酸性糖タンパク質(AGP)と合成した。

この物質を敗血症のマウスに投与したところ、48時間後の生存率が70%向上。試験管実験では、院内感染の原因となる多剤耐性緑膿[りょくのう]菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌など、約20種類の細菌を死滅させる効果があった。

丸山教授によると、細菌の近くで一酸化窒素が分離され、抗菌作用を発揮する。AGP以外のタンパク質に一酸化窒素を合成した場合と比べ、効果が千倍程度高かった。薬剤と一緒に投与すると、耐性菌に対する薬剤の効果を回復させる結果も出たという。

丸山教授は「AGPは一酸化窒素のキャリアー(運び屋)として非常に優秀。もともと体内にあり、毒性は非常に低いと考えられる。製剤化に向けて研究を進めたい」と話している。