熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

アジサイ科
Hydrangeaceae
アマチャ
Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. thunbergii (Siebold) H.Ohba
別名
コアマチャ
アマチャ
写真をクリックタップすると、大きいサイズで表示されます。
  • アマチャ
  • アマチャ
英名
tea of hearen
中国名
綉球
花期
5~6月
生薬名
甘茶(アマチャ)【局】
薬用部位

成分

イソクマリン関連化合物((+)-phyllodulcin, phyllodulcin 8-glucoside, hydrangenol)

化学構造式

画像をクリックタップすると、大きいサイズで表示されます。

  • アマチャ 化学構造式1
  • アマチャ 化学構造式2
  • アマチャ 化学構造式3
産地と分布

本州の山地にまれに生えるが,日本各地で庭木か薬用に栽培されている.

植物解説

落葉低木.幹は束生し,樹高1~2 m.ヤマアジサイによく似る.葉は対生し,有柄,長楕円形で先端は尖る.花期は7~8月.枝先に多数の花を散房状集散花序に付け,周囲に数個の装飾花がある.装飾花の萼片は花弁状,色ははじめ青くのち紅くなる.
和名は,葉を乾かすと非常に甘くなるが,それで甘茶をつくるからである.

薬効と用途

成分の(+)-phyllodulcinは砂糖の400倍甘く,糖尿病患者や肥満症の人への砂糖の代用に甘味料として用いられる.また,家庭薬の矯味料として配合されるほか,口腔清涼剤,醤油,菓子,たばこ,歯みがきの甘味料にも用いる.
4月8日の釈迦の誕生日である花祭り(灌仏会)に,アマチャで作った茶を参拝者に飲ませたり,釈迦の像にかけたりする習慣がある.

参考文献についてお知りになりたい方はお問い合わせください。