熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

セリ科
Apiaceae
ウイキョウ
Foeniculum vulgare Mill.
別名
フェンネル
ウイキョウ
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  • ウイキョウ
  • ウイキョウ
  • ウイキョウ
英名
fennel
中国名
茴香
花期
6~11月
生薬名
茴香(ウイキョウ)【局】
薬用部位

果実

成分

モノテルペン(limonene, γ-terpinene),フェニルプロパノイド(anethole, methyl chavicol),安息香酸誘導体(p-anisaldehyde)

化学構造式

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  • ウイキョウ 化学構造式1
  • ウイキョウ 化学構造式2
  • ウイキョウ 化学構造式3
産地と分布

ヨーロッパ地中海沿岸地方の原産で,日本には明治初期に渡来し,現在は北海道,長野,鳥取などで栽培される.

植物解説

多年草.草丈1.5~2 m.茎は直立して上部で分枝する.平滑な円柱形で緑色.葉は互生し,3~4回羽状複葉で細い線上に分裂する.大型の複散形花序を頂生し,黄色の小さな花を多数付ける.分果は卵状楕円形で長さ5~10 mm,芳香性.

薬効と用途

健胃,鎮痛作用があり,食欲減退,腹痛,下腹部痛,神経質で胃痛や胸やけがあるなどの症状に用いる.漢方処方では,安中散などに配合される.果実を水蒸気蒸留して製した茴香油は,咽喉粘膜を刺激して唾液,胃液の分泌を高める.
果実は主にスパイスとして料理の風味づけに使われるが,葉も肉や魚料理の付け合せに用いられる.新芽や葉柄,茎は生食もできる.古代エジプトの時代から栽培されている,世界最古のハーブの一つである.

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