熊薬ミュージアム内に展示されている貴重な古文書をご紹介します。
67  萬病回春 全1~8巻

中国明代の医師龔廷賢(きょうていけん およそ1539~1632)の著。 全8巻。 1587刊。 江戸初期に日本に伝来して以来、江戸時代を通じて最もよく読まれた医学全書。 およそ30回も翻訳を重ね、龔廷賢の医学は当の中国よりもむしろ日本に絶大な影響を及ぼした。 今日でも日本では『万病回春』を出典とする漢方処方は少なからず用いられている。 回春(かいしゅん)とは、「春が巡ってくる」という意味。 ここから転じて「病気が回復すること」や「若返る」ことを指す言葉として用いられるようになった。 収録されている有名な漢方処方としては温清飲、六君子湯などがある。