熊薬ミュージアム内に展示されている貴重な古文書をご紹介します。
65  扁鵲倉公傳

司馬遷(しばせん)の著で『史記』中の扁鵲倉公列伝。 収載されている25種の医案は世界最古のカルテといわれている。 また、治せない患者の条件について断言した扁鵲の「六不治(ろくふち)」は宗教と医学の分離を説いたものとして後世しばしば引用されている。 扁鵲は古代中国、とくに漢以前の中国における伝説的な名医。 扁鵲が典籍に初見される戦国時代末の『韓非子(かんぴし)』(紀元前295年~紀元前233年)と司馬遷の「扁鵲倉公列伝」の記述から、行動範囲があまりに広いこと、活動期間が300年近くにおよぶことから、その存在は架空のものとされている。