熊薬ミュージアム内に展示されている貴重な古文書をご紹介します。
52  難經本義
一冊上下合本 滑寿著 寛政十年刊

『難経本義』は元代・滑寿(かつじゅ)が著した『難経』の注釈書。 滑寿,字は伯仁,号は攖*寧生(えいねいせい)。 許昌の名家の出身。 儀真(ぎしん 現在の江蘇省)に住み,また晩年は余姚(よちょう 現在の浙江省)に過ごした。 生没年不詳。 幼いときから儒学を習い,詩文もよくしたが,科挙は受からず,医の道を選んだという。 名医王居中が儀真に滞在しているとき,居中に『素問』、『難経』を学ぶ。 その後,東平の高洞陽に鍼を学び,経脉・経穴を研究した。 著書には『難経本義』の他,中国の鍼灸家に広まり,江戸時代何度も刊行された『十四経発揮』などがある。