熊薬ミュージアム内に展示されている貴重な古文書をご紹介します。
29  温疫論
刊 文泉堂 林好和 明和乙丑

明の呉有性(ごゆうせい)が1642年に著した。 上下二巻、計八六篇からなる。 以後中国および日本の医界に大きな影響を及ぼした。 わが国には享保22(1737)年に渡来。 温病学説の発端をなした重要書。 流行性でも、傷寒とは異なる温疫の概念を前面に掲げた革新的な医論書で、多岐にわたる内容が論説されている。 ただ版本により内容に混乱や脱文、字句の異同が多々ある。 本書は江戸期の和刻本で明和6(1769)年文泉堂 林好和 刊。