熊薬ミュージアム内に展示されている貴重な古文書をご紹介します。
28  明堂灸経
文政六年修補

〔太平聖恵方(たいへいせいけいほう)〕『黄帝明堂灸経(こうていめいどうきゅうけい)』と思われる。当本は宋の王懐隠(おうかいいん)らが太宗の勅を奉じて編纂し、淳化三年(九九二)に刊行された国定医方書『太平聖恵方』全百巻の伝本より、第百巻部分の「小児明堂」を後付した『黄帝明堂灸経』一巻を抜粋したもの。 中国では北宋代に『黄帝明堂灸経』一巻が単行され、江戸幕府医学館に所蔵されていたが、現所在は不明。 日本では元版から『黄帝明堂灸経』三巻のみが江戸前期に計九回単行されて普及した。 本書は江戸後期の文政6(1823)に修補されたもの。