熊薬ミュージアム内に展示されている貴重な古文書をご紹介します。
24  格致序論
刊 天保九年修補

朱丹渓の著になる『格致余論』(かくちよろん)もしくはその序と思われる。 本書には丹渓の自序と、宋濂の序がある。 前者は年代を記さない。 後者は至正七年(一三四七)に記された。 本書の成立は1347年。

 朱丹渓は金元4大家の最後の一人で中国のみならず日本においても後世に大きな影響を与えた医家で金元医学の集成者といわれている。 全篇は丹渓の医学認識を論説したいわゆる医論書で、各篇中にはその論拠として丹渓の治験も多く記されている。