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今月の薬用植物

2014年3月

ウンシュウミカン (Citrus unshiu (Swingle) S.Marcov.
ミカン科(Rutaceae)

「満開の、真冬のヒマワリ、陽光に映え」河童

 私たちが普通に食べているミカンは、温州みかんと言われています。温州の名前は、中国の温州(上海の南の海沿いの町)から来ているとのこと、ただ温州みかんは、日本が原産で、鹿児島県出水の長島で1500年代に生産されていたと考えられています。温州みかんには種が少なく江戸時代は種無しは不幸と考えられ、全国に普及したのは明治に入ってからだそうです。そのミカンの皮を陳皮(ちんぴ)と言い、味は辛苦、性質は温性です。漢方薬では、胃腸機能を調え、気を調和する、湿を除き去痰する等を目的として、胸腹部の膨満感、食欲不振、嘔吐等の改善に、平胃散、補中益気湯、抑肝散など40処方以上に配合されています。民間薬では、浴剤、健胃薬としてお茶に用いています。皮膚の弱い人は浴剤として用いるとき、多すぎると刺激が有りますので気を付けて下さい。ミカン風呂から出るとポカポカして湯冷めしにくいですね。

 陳皮の「陳」は古いという意味で、新しいものよりも生薬として1年位経過したものが良いと言われていますが、昨今は香りの良い新しいのが入ってきます。新しいものは芳香性健胃効果が強いのでしょうが、ただ胃の弱った方には少し刺激が強いかもしれません。古いのと新しいのでは効果はどう違うのか、まだ分かっていないことです。

 また、皮は温性ですが、食する果肉は涼性です。冷え性の方がミカンを食べ過ぎますと冷えが増します。気を付けて下さい。白い繊維の部分の性質は平(温めも冷やしもしない)と言われています。袋・白い所は繊維が多いので、便通等に良いのではと思います。ミカンを食べ過ぎると手等が黄色くなることが有ります。ミカンの色素成分によるものです。食べるのを減すとその内元に戻ります。ミカン類の皮を、お茶、浴湯などに用いる時は、無農薬のミカンの皮を利用して下さい。普通のミカンは結構農薬を使っているものがあります。

 薬とミカン類の注意が知られています。グレープフルーツ(ジュース類)など、大型のミカンはカルシウム拮抗作用を持つ高血圧、狭心症薬等の薬の効果を強くしますので、薬剤師の方に良く相談し食事等に気を付けて下さい。  最近は私も、何カ所かの病院にかかり、薬をもらうようになりました。いつもお薬手帳を忘れています。保険証をIC化して、薬局で薬のデータが共用できるようになれば、保健医療費の削減、患者の金の無駄遣いの軽減、さらに残った薬での自殺行為の撲滅に大いに貢献できるのではと思いました。早く保険証のIC化が実現しないかな!!

ご自由にご利用ください!
 "2014年  3月カレンダー まんさく"
 "2014年  4月カレンダー アイラトビカズラ"

写真(花、実:薬用植物園)
(資料,写真・文章責任: 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野)
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種)
                       (変更日:2014.3.3)

, from 8, May, 2004
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