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今月の薬用植物
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2012年4月

チョウジ(Syzygium aromaticum Merrill & Perry)
   (Eugenia caryophyllata Thunberg)
フトモモ科(Myrtaceae)


   桜の花咲く季節、ご入学おめでとうございます




 相変わらず入れ替えが遅れています。入学式に間に合いました。3月はベトナムのジャングルに出かけていました。蛭(ヒル)の被害は一匹だけ。今年は意外と土が乾き、思ったよりも寒かったからかもしれません。Hueに着いたら皆さんセータを着ていて、朝は寒くて目が覚めました。

 今月は南の植物「チョウジ」です。撮影した場所は、東京の星薬科大学と石狩市の北海道医療大学の薬用植物園の温室です。原産地は香辛料の島として知られるモルッカ諸島と言われています。チョウジは5m前後の常緑樹で、蕾を薬用および食用にします。生薬名は「丁字、丁香」、食品名は「クローブ、Clove」です。食品のクローブは肉料理に、香り、臭み消し、抗菌などを目的に用いられます。薬用では、丁字を水蒸気蒸留して得られる丁字油を、歯科で局所麻酔、消毒などに用います。独特の薫が有るので歯医者で使っているとすぐ分かります。生薬の味は辛、性質は温、温中降逆、温腎補陽の効果があり、健胃、鎮嘔を目的に用いられます。漢方処方では女神散、治打撲一方などに処方されます。
 丁字は園で毎年作っている屠蘇散(一包分:桂皮0.8,花椒0.2,陳皮0.2,桔梗0.2,浜防風0.2,蒼朮0.2,丁子0.2)(熊本城屠蘇散配布)に入れています。丁字を入れると屠蘇散の香りが締まります。昨年暮れは1300個位、今年は何個作るのかなと思いを巡らせています。
 チョウジの花、蕾が見たくて星薬科大学に四季伺ったものです。昨年9月の生薬学会の折りようやく半開きの花を観た時は感動しました。また、を乾かすと丁字になるのだと思いながら写真を撮影しました。先月30日札幌での薬学会の折り北海道医療大学の薬用植物園の温室を訪れたとき、実がなっているのにビックリ、外は1m近い雪の中温室で汗をかきながら写真を撮られてもらいました。近くにはコーヒーの実が実り、ヒスイカズラの花がきれいに咲いていたのが印象的でした。>


ご自由にご利用ください!
"2012年4月カレンダー ブラシの木"
"2012年5月カレンダー ヒスイカズラ"

写真(花:2011年9月星薬科大学薬用植物園、実:2012年3月北海道医療大学薬用植物園)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),(変更日:2012.4.3)
 
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, from 8, May, 2004



 
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