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今月の薬用植物
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2012年3月

インドセンダン(Azadirachta indica A. Juss.)
センダン科(Meliaceae)


       「啓蟄に オケラ芽出す 鉢の中」(河童のはげ)

 相変わらず入れ替えが遅れています。2/19青ナイルクルーズをしてきました。白ナイル、青ナイルと名前がついているだけあって、確かに色が違います。青ナイルは水深が深く澄んだ水が青く見えるようです。合流点を見ましたが、波打って線ができていました。水のある川幅は意外と狭く堤防も有りませんでした。
 どこに行ってきたかって? アフリカのスーダンの首都ハルツーム (Khartoum) です。NPOロシナンテスの川原医師のご紹介で、ハルツーム大学の招聘で学会に参加し、共同研究を模索してきました。風土病の治療薬の検索、スーダンの有用植物の機能性の解明と有効利用法の開発です。一緒に行った九州大学農学部の先生とともに何か出来そうです。還暦過ぎた3人組の珍道中でした。NPOのスタッフの日本人の若奥さんに「3人は楽しいですね」、川原医師には「変わってますね」と言われました。

 前置きが長くなりました、今回はスーダンのNPOロシナンデス事務所の前で撮影した「インドセンダン」の花です。写真を撮っていると地元の子供達が何をしているのかなと一緒に見上げていました。その横でゴム銃で木に留まっている鳥を狙っていました。夕ご飯にするのでしょうか?小鳥に命中するのですがら巧いですね。

   インドセンダンの別名は「ニーム、マルゴッサ」です。インドでは昔から土壌と作物の防虫、家畜や人間の病気の治療に、種から油を絞り殺虫剤として使用してきたようです。日本でも農薬替わりに使用されています。また、民間薬、薬用茶として、皮膚病、糖尿病、解熱、腎臓病などの泌尿器系疾患の際に飲まれています。5年ほど前、パキスタンのカラチ大学がニームの葉をお茶にして売っているのだと言って、同大天然物研究所で飲ませてくれました。インドセンダンはスーダンの首都のハルツームの街のあちこちに植えられ、乾期の雨の無い時期に10m以上の大きさの木も多く葉が茂り、元気に花を咲かせていました。 皮膚がケロイド状になるリーシュマニアという皮膚病に効果があると紹介してくれました。熊本ではニームは大きくならず、寒さで枯れてしまいます。沖縄ぐらいの暖かさ(暑さ)がないといけないようです。

 今回はスーダンの首都 Khartoum (ハルツーム)にたった4日間の滞在です。行き帰りに各1日、関空〜ドーハ(カタール)〜ハルツームで、 行きが16時間、帰りが14時間位です。ただ家を出てから帰るまでの移動だけで2日以上必要でした(2/16〜21)。スーダンは乾期で、細かい砂塵が舞っていました。 一日マスクをしていると茶色になるようです。地元の人は皆さん明るく楽しい人達が多いように感じました。
 普通の家は水のシャワーで、温水のシャワーは出ません(太陽熱温水器が有ると良いですね)。食事は右手を使って食べます。イスラム教なので豚肉と酒はありません。肉は羊、鳥肉が主です。 野菜・果物はそれなりに有りましたが、量はやはり少なく、安くはないようです。魚は川魚が主です。結構でっかい魚を売っていました。  スイカは思ったよりも美味しかったです。ホテルの人参ジュースは甘く格別でした。最高級のホテルに泊めていただいたので、 滞在はたいへん快適でした(快適すぎました)。滞在中の4日間、酒宴がなかったので、胃の調子は最高で、食べ物を美味しく、沢山頂き、太りました。

ご自由にご利用ください!
"2012年3月カレンダー インドセンダン"
"2012年4月カレンダー ブラシの木"

写真(花:2012年2月 スーダンハルツームで撮影、果実:A Hand Book of Medicinal Plants of Nepalより)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),(変更日:2012.3.2)
 
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, from 8, May, 2004



 
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