熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2012年1月

シマカンギク(島寒菊)(Chrysanthemum indicum L.)
キク科(Asterceae)



        明けましておめでとうございます。
       今年もよろしくお願いします。


 平年並みの寒さの正月を迎えました。皆様如何お過ごしですか?
薬用植物園では、ロウバイ、山茶花、日本スイセン、ヒマラヤ桜、ボケ等が咲いています。足元に眼を向けると、ハナダイコン(オオアラセイトウ)、白花タンポポの花が咲いています。樹木園の下草のホトケノザの大群が2枚葉を広げ太陽の光で栄養を作っています。サンシュユ、コブシ、紫モクレンの蕾が膨らんできました。ダイダイの実も黄色味を増し正月気分です。
 今月の薬用植物は、シマカンギク(島寒菊)です。阿蘇などの日当りの良い道端にあります。名前の由来は、寒期に花をつけ、東大小石川植物園に、中国の島に分布していたものが植えられていたことによるとのことです。

 薬用部位は頭花で風邪、胃腸炎、湿疹、高血圧、腫れものに煎じて飲みます。また外用として花の油を傷に用います。日本で生薬の菊花(きくか)を注文するとシマカンギクの頭花が来ます。味が苦く茶菊として飲む気にはなりません。
 1997年12月の「キク」に紹介した、杭菊(甘菊)と異なりますが、同じように漢方薬で菊花として用いられているようです。杭菊花は清肝明目の作用がありますが、小さい花の菊花(苦いもの)のは野菊花(シマカンギクの花)と言い、清熱解毒作用があり、処方で使う場合には違う。
 菊花は、漢方では解熱,解毒,鎮痛,消炎,血圧降下剤として,感冒,発熱,頭痛,目まい,耳鳴り,眼病などに用います.漢方処方としては,杞菊地黄丸(枸杞子,菊花,熟地黄,茯苓,山薬,沢瀉,山茱萸,牡丹皮)(六味丸+枸杞子,菊花)が知られ,視神経委縮,中心性網膜炎などの眼疾患などに用いられます。

寒の入りです一層寒くなってきます。腰〜背中を冷やして風邪を引かれませんよう、身体のバランスを整えて下さい。
笑顔を忘れず、楽しく仕事を、「仕事が楽しめますように」
「幸福は努力して手に入れるもの」だそうです。
 
今年の抱負:「笑う門には福来る」をもっとうに、1)運動に心がけて、体重を70kgに落とし、メタボ解消。2)外国に出かけ、いろんな植物・人に会えるのを楽しみに。3)楽しく教育・研究・啓発を続けます。4)スーダンの留学生、中国からの留学生、さらに創薬の3年生が来ると嬉しいな。
 

ご自由にご利用ください!
"2012年1月カレンダー ヒマラヤ桜"

写真(2011年11月 熊本大学薬学部薬用植物園で 撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center(Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野) 
矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),(変更日:2011.12.31)
 
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, from 8, May, 2004



 
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