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今月の薬用植物
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2010年8月

ベニバナボロギク(Crassocephalum crepidioides (Benth.) S. Moore)
キク科(Asteraceae)




 日中に 蝉・蚊は休み 人は外 自然の摂理 逆らう人々(字余り)(河童)

毎日暑い日が続いています。7月末は熱帯低気圧の影響で、大雨が降ったところもあるようです。如何お過ごしですか??
 早朝から蝉がここぞとばかりに鳴いています。夏らしくて良いですね。蝉の抜け殻が沢山草木にくっついています。これを見ると、清熱除湿・疏風養血で、夏になるとひどくなるような湿疹、アトピー性皮膚炎などに用いる十味敗毒湯を思い出します。セミの抜け殻の蝉退(せんたい)[蛻殻(たいかく)(裸蛹の全乾燥体)]が、処方中に配合されています。蝉退の味は鹹・甘、性質は寒、疏散風熱、解熱などの作用を持つとされています。今月の薬用植物で取り上げようかなと思いましたが、植物ではないのでやめました。蝉の抜け殻集めは、中国では夏休みの子供たちのアルバイトだそうです。

 今月の薬用植物は蝉の、抜け殻の横で見つけた”ベニバナボロギク”です。名前がかわいそうですね。赤い花が下を向き、キクの花がちぎれたような感じだからでしょうか?
 アフリカ原産の帰化植物で、関東以西に分布する、1年草 です。民間薬で、全草(または地上部)を、利尿、解熱、腸炎、消化不良などに用います。利尿には、乾燥したもの5g位(半つかみ位)を500ccの水で1/2位まで煎じて飲みます。
中国でも仮筒蒿(かとうこう)といい、味は辛、性質は平で無毒、気を通す、利尿、浮腫に、清熱解毒、腸炎、尿路感染症等に用いると記してあります。
 食用にもします。花が咲くまえの茎葉が軟らかい春〜初夏にかけての茎葉を軽く茹で、お浸し、酢みそ和え等にすると美味しいです。

9月12日の”第9回薬用植物を知ろうin熊本”の下見を始めました。ツリフネソウ、ハガクレツルフネ、キツリフネが伸びていました。観察会の時に花が咲いているのが楽しみです。マタタビの実がなっています。9月には熟れているかもしれません。7月24日の下見の時は、イワタバコ、ケイビランの花が咲いていました。ラッキーでした。イノシシが餌を探して、穴を沢山掘っています。7/31には、イノシシの水飲み場に沢山のオタマジャクシがいました。9月12日の花々を楽しみに下見をしています。”9/12は定員100名”で締め切る予定ですので、早めにお申し込み下さい。

<熱中症の予防> 1)家の中では扇風機で空気を動かし、汗を発散させ体温を下げる。
2)外で汗をかいたら、こまめ(30分おきぐらい)に水・お茶などをとる。
  (少し塩分、レモンなどの酸味を含んだものがよいでしょう)
3)おかしいとおもったら、日陰に入り、太い血管が通っている部分。(首、わきの下、足の付け根など)を冷やす。濡れタオルで身体を冷やす、風を当てて汗(水)を飛ばし冷やすなどをして下さい。

★お年よりは感覚が鈍くなっていることがあります。汗を飛ばし冷やす方法を考えてあげて下さい(団扇、扇子、扇風機などの昔の省エネ冷却方で)。エアコンを30度ぐらいに設定しても、扇風機を使って部屋の中で風を回すと意外と涼しいですよ。

<知ってますか?。夏に身体を冷やす食事を!!>
1)カレーを食べると、香辛料により、発汗が起ります。汗が出たら、木陰の風の当たるところに居れば、汗が飛んで、気化熱で皮膚・体表面が冷えますので、涼しく感じます。
 適度の香辛料の摂取は、1)胃腸によい、2)汗をかき老廃物を出す、3)汗が飛んで涼しく感じる、4)夏バテ予防になるなど、良い効果があります。昔の人は賢いですね。エアコンが無かった時代でも夏の暑さを乗りきっていました。五感を使って生活をしては如何でしょうか??


皆さん、お時間がありましたら、薬用植物園においで下さい。花達が、お待ちしています。植物の生命力を感じて下さい。

写真(2010年7月30日薬用植物園)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center (Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),変更日:2010.8.1)
 
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, from 8, May, 2004



 
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