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今月の薬用植物
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2010年7月

オジギソウ(Mimosa pudica L. )
マメ科(Leguminosae)




『梅雨まっただ中、カッパも喜ぶ 時期になり』 大雨になりませんように!(河童)
『カジノの葉に、祈りを込めて 文を書く、七夕の夜に、巡り合えるよう』

6/24〜29、今年2回目のネパールに出かけてきました。2月と同じネパール滞在でしたが(3泊4日)、今回は、カトマンズだけだったので、周りの山に行く余裕もありました。28日に、A Hand Book of Medicinal Plants of Nepal の共著者のRajさんが、ネパール料理屋で美味しいダルバート(マメカレー)を御馳走してくれました。風邪を引いたまま出かけ、おまけに飛行機の気圧の変化で耳の調子がおかしくなってしまいました.そのため,食欲が無く、体調が普通だったら、もっと美味しく食べれたのにと残念です。ホテルの野菜カレー(物価高か?、味が落ちています)。

 今月の薬用植物は、ネパールで見つけた”オジギソウ”です。日本とはことなり、東南アジアでは薬用に用います。ネパールでは1500m位の所に生育しています。牛が放牧してありましたが、トゲが有るからでしょうか、食べられていませんでした。昨年9月に行ったラオスでは、ビエンチャン市内などの道路際に雑草として生えています。薬用としては、全草を貧血、筋肉痛に、根を赤痢に用います。
 中国では、全草を”含羞草(がんしゅうそう)”と言い、味は甘、性質は寒で、有毒。清熱する、精神を安らかにする、解毒する等の効果があり、腸炎、胃炎、不眠症、小児のカンの虫、帯状疱疹などに用いると書いてあります。  タイでも薬用に用います。日本、ラオスでは、8月〜9月が開花時期ですが、ネパールでは、6/26に調査に行った時に咲いていました。すでに種子できていました。開花時期が場所により異なります。面白いですね。
 成分としては、アルカロイドのMimopudine(右の構造式)、ステロイド配糖体などが報告されています。

 熊本大学薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンターは、細川藩の薬園”蕃滋園”(1756年開園、熊本市薬園町付近)の流れをくみます。蕃滋園には、約1000種の薬用植物・有用植物が栽培されていたとの記録が有り、明治23年の廃園のおり、五高に竜眼樹他150余種を移植したとの碑が、熊本大学黒髪キャンパス、五高記念館前の樹木園の中にあります。その中の薬用植物が、昭和2年に開園した薬学部の前進、熊本薬学専門学校の薬用植物園に移管されたのですが、昭和28年6月26日の熊本大洪水で、薬専の薬用植物園も人の丈ぐらいまで冠水し、草類は大打撃を受けたようで、テンダイウヤク、ニンジンボク、サンシュユ等の樹木だけが現在残っています。もし近くにおいでの時は、市内電車で、味噌天神下車、歩いて2分の”薬用資源エコフロンティアセンター”の”薬用植物園”にお立ちより下さい。70年を越す、ニッケイ、コブシ、タイサンボク、ムクロジ等の大木がお迎えします。阿蘇の希少植物ヒゴタイも7月の2週目には咲き始めると思います。

皆さん、お時間がありましたら、薬用植物園においで下さい。花達が、お待ちしています。

写真(2010年6月28日ネパール、2009年9月2日ラオス、2006年熊本大学黒髪キャンパス)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-Frontier Center (Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),変更日:2010.7.1)
 
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, from 8, May, 2004



 
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