熊本大学薬学部
 
  トップページ / 今月の薬用植物
ワード検索
今月の薬用植物
バックナンバー薬用植物園

2010年4月

アイラトビカズラ ( Mucuna semperviens Hemsl. )
マメ科(Legminosae )




『人は一杯いるがよい 少し元気でいればよい お金は少しあればよい』(河童)

ご入学おめでとうございます。
 皆さん、 大学生になりました。記憶することも大事ですが、学問をして下さい。大いに学び、疑問を持ち、問い 掛け、解決して下さい。社会勉強も大事ですが、学ぶことを好きになって下さい。

 薬用植物園も名前を変え、薬学部附属 ”薬用資源エコフロンティアセンター”になりました。センターは、これまでの薬用植物の栽培・育種、機能性、希少植物の保護、海外調査に加え、誰も考えつかないようなことが出来ればと思っています。これからも益々宜しくお願いします。

 今月の薬用植物は、アイラトビカズラです。
 熊本県山鹿市菊鹿町の相良寺(あいらじ)に、約1000年前に中国から伝来したトビカズラなので、アイラトビカズラと名がつけられました。国指定の天然記念物です。その株を分けていただき、本園で、50年ぐらい前から栽培しています。10年ぐらい前までは5月の連休の頃に開花していましたが、年々早くなり、昨年は4月12日に開花しました。今年も既に濃い紫色の蕾が大きく膨らんでいます。来週には開花すると思います。雨が多かったので、蕾が沢山落ちてしまい、花数が少ないようです。

 見学・写真撮影は自由ですのでお立ち寄りください。
 但し、植物を痛めないように注意して観て下さい。足元の植物にも注意して下さい。

 アイラトビカズラの薬用部位は、中国の本では、根・茎葉を用いると記してあります。味は苦く、性質は温。効能は、血の流れを良くし・血を補う。リウマチ性の痛み・麻痺、四肢の麻痺、筋骨の痛みの改善に用いるとされています。煎じても酒に浸して飲んでも良いようです。
 しかし、勝手に採ると怒られますので、見るだけにして下さい。

 センターでは、薬を使わないで、病気(気の病)を治すことに取り組んでいます。難しいことではなく、”風が吹くと桶屋がもうかる”方式です。植物園ですので、植物の花を見て、プチ感動(少しの感動)を得てもらう。その繰り返しで、気を上げていく。気が上がれば、体内の血の巡りも良くなり、体が温まり、免疫力も少し上がるのでは。そうすると細胞内の水も動きだし、老廃物も外に出すことが出来る。この繰り返しで元気(元の気)をとりもどせるという仕組みです。花でなくても好きなことでいいのです。沢山ではなく、プチ(小さい、少し)の積み重ねをして下さい。大きいとリバウンドがひどくて気力がでなくなります。
 人は感動する、動く気になり、やる気になりますね。そして元の気(元気)が保たれます。私は、センター(園)に来て下さる方々に、感動を少し差し上げることが出来ればと思います。
 そして私は、逆に、来園者の皆さんのエネルギーを全部もらって元気一杯になります。私のエネルギー補給のために皆さま、どしどし花・植物を観にセンターにお立ち寄り下さい。

写真(花:2009年4月13日、センターにて、果実:2009.9 東山植物園にて)
(資料,写真・文章責任 薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター
Medicinal Plants Eco-frontier Center (Medicinal Botany and Ethnobotany )
(薬用植物・生薬学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学、生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),変更日:2010.4.2)
 
トップページへ戻る


, from 8, May, 2004



 
当ウェブサイトの著作権は、熊本大学薬学部及び記載責任者に属します。 掲載内容および画像などの無断転載を禁止します。
熊本大学ホームページへ 医学薬学研究部へ サイト案内