熊本大学薬学部
 
  トップページ / 今月の薬用植物
ワード検索
今月の薬用植物
バックナンバー薬用植物園

2010年2月

エノコログサ ( Setaria viridis (L.) P.Beaus)
イネ科(Poaceae)




『ネコジャラシ 子供のころに 蛙釣る』(河童)

 2月3日の節分に合わせて、節分草が咲きだしました。今日2月4日が立春ですが、大寒の時の暖かさとは逆に、朝は氷が張り日中も5度位までしか上がっていません。晴れていると、太陽の日溜まりが恋しくなります。熊本では”植木まつり、植木市”が、農業公園、戸島の2ヶ所で行われています。春の始まりです。今年の旧正月は2月14日。そうすると、旧の1月7日は2月21日ですね。このころになると春の七草も芽を出し食べごろかもしれません。今年買った七草セットにはホトケノザ(コオニタビラコ)は入っていませんでした。残念。

 今月は、”え!”と思うものを薬用植物として紹介します。エノコログサ、別名をネコジャラシ等という植物です。穂を引き抜いて、猫と遊ぶとじゃれて面白いですね。中国名を狗尾草(グビソウ)と言い、犬のシッポの草という意味です。英語ではgreen fox tailです。犬と猫は仲が余り宜しくありませんが、犬のシッポに猫がじゃれるのも面白いですね。

 薬用としては全草を用います。採取は、種子が出来ているころの夏〜秋。性は涼、味は淡(ほとんど味が無い)。薬効としては、熱を除き、湿を去り、腫れを消す作用があるとされ、赤眼(目の充血)に、1〜2本を煎じた水で洗う、腫れ物に、生の汁をつけると良い等の治療法が記してあります。私は、実際に用いたことがないので効果の程は分かりません。

 2〜3日に沖縄に行きましたので、エノコログサの写真を撮影しようと思ったのですが、時間がなく見つかりませんでした。代わりに名護農業研究センター内に、カンヒ桜ブラジル桜(イッペ) ソーセージの木の実がありましたので写真を載せておきます。カンヒザクラ(寒緋桜)が満開でしたが、飛行機は遅れる、会議だけのとんぼ返りで花見どころではありませんでした。今年は1月13日の大雪の時に富山へ会議に行って遅れ、2月の今回も東京の雪で遅れました。どちらも遅刻はしましたが会議には出席し、予定通り帰ってこれましたのでよかったです。18日〜22日ネパールのポカラ大学ですが、もう何も起らないことを祈ります。

 寒暖の差の激しい時期、風邪には気を付けて下さい。
 「1〜2月に沖縄に来て風邪を引く人が多い」と沖縄の人が言っていました。20度ぐらいの気温で温かいと思い薄着をするのでしょうか。冬は種子島から沖縄などは北風が強いので意外に冷えますね。外は20度ですが、空港、ホテルは暖房が入っていて暑かったです。

 喉に違和感を感じたら、早めに濃いめのお茶でウガイをして下さい。ゴロゴロ、ゴックンで。

写真(2009年11月、薬用植物園にて)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部附属薬用植物園
Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)
(薬用植物・生薬学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学、生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),変更日:2010.2.4)
 
トップページへ戻る


, from 8, May, 2004



 
当ウェブサイトの著作権は、熊本大学薬学部及び記載責任者に属します。 掲載内容および画像などの無断転載を禁止します。
熊本大学ホームページへ 医学薬学研究部へ サイト案内