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今月の薬用植物
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2009年11月

たらのき(Aralia elata (Miq.) Seem )
ウコギ科(Araliaceae)




『人生は 雨 曇り 晴れ
  自然 人 小さいことでも 感動 感激 感謝』(河童)

 11月1日の雨の後、2日は突風とともに冷えだし、3日の早朝は5度近くまで下がりましたが、日中は天気が良く、大学祭の薬学展に合わせて公開した薬用植物園にも100名近くの方々がおいでになりました。ありがとうございました。イベントで作製した紫雲膏も分けて欲しい方が沢山おられ、学生も作った甲斐があったようです。ミント入りバームクーヘン作りもどうにか巧くいきました。マサラティーと一緒にいただきました。御来園いただいた方々にお礼申し上げます。

 今月の花は”タラノキ”です。熊本では8月に花を咲かせ、9月に黒い実を付けます。果実はヤツデ、ウド、薬用人参、トチバニンジン、エゾウコギ等と同形の5mm位の球状の果実が数十個集まり、さらに球形をしています。
 薬用としては、民間薬で根皮・樹皮を、糖尿病の予防、改善に用います。5年ほど前、阿蘇の内科の先生から電話があり「タラの皮を煎じて飲んでいた人が糖尿病が良くなったのだが本当にそのような文献がありますか」とのこと。お聞きすると、掛かり付けの患者さんの糖尿病が改善したとのこと、びっくりした声でのお電話でした。文献を取りに来られたときにお話をお聞きし、タラノキの樹皮を採取するときは、来年も芽が出るような位置から切っていただくように、また、根皮が良いという人もおられますが、根を掘ると、植物が無くなるので、取り過ぎには注意をお願いしました。内科医の先生は、長年治らなかった糖尿病が改善したので驚いておられました。
 タラノキ樹皮+カキドオシ地上部+ビワ葉(乾燥各5g位を1日分として煎じ3回に分けて飲む)も糖尿病に良いと言われています。

 タラノキの新芽(タラ芽)は春の山菜で有名です。美味しいので、山で採取する人がいますが、他人の山に勝手に入って採るといけませんね。また、同じ木から3回芽を採ると枯れることが多いようです。さらに、高いところに芽があるので、下から木を切って採る人がいますが、これも来年から無くなりますので、木は切らないで下さい。毎年美味しい山菜・自然の恵みを少しでも分けてもらえるようにしたいものです。

 人は必要以上に物を欲しがります。そうすると自然を破壊し、自分の身体・精神を破壊します。何事も6分目位にしておくと、自然と人が巧く共存出来るように思えてなりません。

 寒くなってきました。身体の冷えを改選して、インフルエンザウイルスに負けないようにして下さい。
 宇城(熊本県)のショウガの薄切りを蜂蜜漬けにし毎日3-5枚。野菜たっぷりの鍋で温まる、お風呂に入って温まる。手足のグググ〜〜、パ運動で温まるなど、身体の芯(お腹)から、四肢から温めて下さい。
 咽に違和感を感じたら”渋茶でウガイ”ゴロゴロ、ゴックンで予防を。インフルエンザにかかると多大なエネルギーを消費します。予防してエコで健康に。

 ”写真左は”、国際学長フォーラムにネパールポカラ大学から来られた、Baral学長(中央)、Sharma事務長(左から2番目)が、薬学部長(右から2番目)を表敬訪問されたときのものです。”留学生(M2)のHari君”(一番右)がいろんなお世話をしてくれました。”31日の式典の時の写真が熊本日々新聞(Kummamoto Nitiniti Sinbun)”に出ていました。ポカラ大学のお二人と学長です。

写真(2009年8月23日、阿蘇上色見熊野座神社にて)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部附属薬用植物園
Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)
(薬用植物・生薬学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学、生薬学、漢方、民族植物学、環境保全、育種),変更日:2009.11.4)
 
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, from 8, May, 2004



 
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