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今月の薬用植物
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2009年9月

ヘチマ(Luffa cylindrica(L.) M. Roem. )
ウリ科(Cucurbitaceaeae)




『人生は 楽しく・喜び・いい 加減
 ヘチマも 実・タワシ・へちま水 三度楽しめ 美味しく・奇麗に・美人に』(河童)

「イロハニホヘト チリヌルオワカ ヨタレ・・」の「いろは歌」を頭において次の文章をお読み下さい。

 今月はヘチマ(糸瓜)です。別名イトウリ、これの略がトウリで、「ト」の字のあるのが、「いろは歌」の「ヘ」と「チ」の間、「ヘチの間」なので、「ヘチマ」と呼ばれるようになったとのことです。

 ヘチマは、1)若い果実を食用に、2)熟した果実の繊維を乾燥しタワシに、3)茎を切って根のついた方を瓶にさしてヘチマ水を取り、化粧水に。4)種子から油をとり化粧品原料に、5)ヘチマの種の煮汁で肌を洗うとつるつるに等。
 1)ヘチマは未熟果実を食べて美肌に、2)ヘチマのタワシで身体を擦り美肌に、3)ヘチマ水、ヘチマの種の煮汁で一層美肌にと、1つの植物で3回お肌に潤いを与えてくれ、楽しめます。
 薬効としては、生の果実を煮た汁に、去痰、咳止め、利尿効果があります。中国では、若い果実を糸瓜(しか)と言い、性は涼、味は甘い、清熱、去痰、解毒等の目的に用いられます。
 雌花は朝早く開きます。雄花は日中でも咲いています。雌花は花の下にヘチマの小さいものが着いていますので分かりますし、葉の付け根の茎から直接出て花が咲きますので、葉の下に隠れて見にくいことが多いですね。雄花は茎から30cm位の花序柄(かじょへい)を伸ばし、その先に数個咲くので目立ちます。遠くから観てヘチマの花と分かるのは雄花です。
 余り込み合って栽培すると、雌花が葉の根元で咲きますので、花粉をつけた虫が雌花を見つけきれないので、実のなりが悪いのではないでしょうか?  我が国には1600年ぐらい(慶長年間)に中国から長崎に渡来し、野菜に分類され、万病薬との記載もあります。

 ヘチマ水の作り方は、【例えば:へちま水100ml、グリセリン5ml、エタノール10ml。腐りやすいので冷蔵庫に保存して下さい。グリセリン、エタノールは薬局で売っています】。
 また、熊本県薬剤師会のホームページ
http://www.kumayaku.or.jp/y_faq9.htm を参考にしてください。家にパソコン、ネットワークの無い方は、近くの図書館に行くとパソコンの使いかたっを親切に教えて下さり、図書館のパソコンが使用出来ます。日中の暑い季節、外での仕事は大変です。たまには涼しい図書館を利用しては如何でしょうか。いろんな本もあります。
 まだまだ暑いので、熱中症には十分に気を付けて下さい。外での仕事の時は、こまめに水の補給をしてください(急に沢山飲むと疲れますし、冷たすぎるとまた疲れます)。また、お年寄りの方は、部屋におられも熱中症に罹ることがありますので、こまめにお茶でも飲んで下さい。
 ヘチマで美人で、健康に!!。

 新型インフルエンザがこれから流行しそうです。身体のバランスを調え(食事、睡眠、ストレス解消)、胃腸を元気にし(暴飲暴食を避け、快便で)、体力を落さないように気を付けて下さい。ウガイ、手洗いをお忘れなく。そうすると罹ってもひどくならない可能性が大です。


写真(2009年8月13日、宮崎県綾町)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部附属薬用植物園
Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)
(薬用植物・生薬学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学、生薬学、漢方、民族植物学、環境保全・育種),変更日:2009.8.28)
 
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, from 8, May, 2004



 
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