熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
バックナンバー薬用植物園

2009年5月

ハナミョウガ(Alpinia japonica Miq.)
ショウガ科 (Zingiberaceae)




『好きなこと 楽しむこと いいかげん(良い加減) 草で楽しむ薬です』(河童)

 阿蘇の草原には、青紫の花のハルリンドウ、フデリンドウ、スミレ、ピンクの花のサクラソウ、イワカガミ、黄色い花のキジムシロ、ミツバツチグリ、ウマノアシガタ、白い花のマイヅルソウ、ヒゴスミレ、ツボスミレ等が咲いています。仙酔峡のミヤマキリシマもだいぶ咲き10日前後が見ごろ、山頂のミヤマキリシマは月末が見ごろだそうです。オオルリシジミも飛び初めました。4/30,5/1に阿蘇のハルリンドウ、フデリンドウ、リンドウの植生調査に行ってきました。盗掘が多いですね。野草は自然で見るのが一番です。独り占めしないで皆さんで見て楽しんで下さい。

 今月は、日陰でひっそりと咲く、ショウガ科の”ハナミョウガ”です。紅色の花なので、見つけやすいですね。12月にヤッコソウを見に行ったとき、種子島からもらってきた株が薬木園の中で咲いています。葉がミョウガに似ているのでこの名前がついたようです。

 ハナミョウガの種子を伊豆縮砂(いずしゅくしゃ)と言い、健胃や、腹痛、下痢の治療に種子の粉末4〜5gを2〜3回に分けて用います。種子の採取時期は11月頃ですね。また、中国では、根茎を”山姜(さんきょう)”と言い、性質は温、味は辛で、お腹を温め、冷えを散らす、血を滑らかにする作用で、胃部腹部の冷痛、リウマチによる痛み、打撲によるうっ血(青あざ)などに用いられるようです。また、細胞レベルで癌細胞を抑制するという報告も有ります。br>
 薬用植物の本を読むと沢山の植物が薬用に用いられるように書いてあります。実際に民間薬で用いられている、センブリ、ゲンノショウコ、キランソウ、ドクダミ、アロエ、カキの葉、カキドオシ等々は実際に用いても副作用(悪い作用)は少ないと思います。漢方薬で用いる、シャクヤクの根、ボタンの根茎等は普通に用いると渋く苦いだけです。さらに甘草、人参(薬用)は、合わない人が飲むと血圧が上がったりします。本に書かれていないことも沢山有りますので、もし飲まれておかしい時は、すぐに中止して下さい。また健康食品等の購入は少し高いかもしれませんが、1〜2週間分ぐらいからお試し下さい。薬・健康食品は3日も飲めば何かの変化が有ります。もし変化が無いときは合っていない、体調がおかしくなったら、すぐ中止する。良いほうに改善されたら続けて下さい。但し、飲む量を2倍以上には増やさないで下さい。効くからといって増やしすぎると悪い作用もでます、
 もう一つ、自分み効くからといって、個人差が有るので他人に押し付けないこと、友達にも治る可能性はあるので「試してみては」と、お勧め下さい。それが心遣いではないでしょうか。 


スギナです。 節間が等間隔です。やはりスギナでした。


写真(2009年5月2日、薬用植物園にて)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部附属薬用植物園
Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)
(薬用植物・生薬学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学、生薬学、漢方、民族植物学、環境保全・育種),変更日:2009.5.4)
 
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, from 8, May, 2004



 
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