熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2008年10月

カボチャ(Cucurbita moschata Duch. )
ウリ科(Cucrbitaseae)




『晴れ祈る カッパも たまには天気ごい 晴れますように』(河童)

 カボチャは雌雄異花で、写真はカスガボウブラの雄花です。皆さん、カボチャを何とよびますか? カボチャ、南京?。カボチャは1541年にカンボジアからポルトガル船により大分(豊後)に渡来し、ポルトガル語のCambodiaが訛ってカボチャとなりました。原産地はアメリカ大陸です。ニッポンカボチャ、セイヨウカボチャ、ペポカボチャの3種に分類されます。ペポカボチャは別名”飾りカボチャ”と呼ばれます。ラテン語のCucurbitaは古代ラテン語のヒョウタンに由来します。また、中国を経て渡来したことから南京とも言われています。
 これからがカボチャの美味しいシーズンです。熊本の野菜で、”かすがぼうぶら”という品種を知ってますか?写真のようにヒョウタンの様な格好をしたカボチャです。甘味は余りなく肉質も軟らかいので、昨今は余り好まれませんが、カボチャスープにすると美味しいようです。
 カボチャの黄色い色はニンジンと同じカロチノイドで、抗酸化、抗腫瘍活性等が知られています。”冬至にカボチャを食べると風邪を引かない”というのは、江戸時代に広まった習慣で、緑黄色野菜の少ない冬にビタミンを摂ろうとした人の知恵です。カボチャは全ての部分を薬用とします。果実を”南瓜(なんか)”といい、消化器系を補い気を益す、消炎、止痛、解毒等。花は”南瓜花(なんかか)”といい、熱を清め,腫毒を消す。根は”南瓜根(なんかこん)”といい、乳の出を良くし、火傷を治す等。種子は”南瓜子(なんかし)”といい、駆虫作用等。茎のヒゲ(巻きひげ)は”南瓜鬚(なんかしゅ)”といい、乳頭が中に入ってしまうのを治す、疼痛に。蔕(へた)は”南瓜蔕(なんかてい)”といい、デキモノ、火傷に。茎は”南瓜藤(なんかとう)”といい、結核の微熱、胃痛、月経不順等に。葉は”南瓜葉(なんかよう)”といい、切傷、火傷等に用いると中葯大辞典に記してあります。すごいですね。
 カボチャは、種類が多く、日本で収穫できない時期には、メキシコ、オーストラリア等から輸入されています。熊本ブランドの”坊っちゃんカボチャ”は美味しいので、たまに大学でも調理します。ラップで巻き電子レンジで10分ぐらい温めると甘いホクホクのカボチャ煮ができます。ハローウィンのカボチャの飾り、パンプキンスープを思い出しながら文章を書いてます。
 来年はでっかいカボチャに挑戦してみたいので、どなたかジャンボ 南瓜の種子を譲 って下さると嬉し いです。
 涼しくなってきました。咽の痛くなる風邪が流行っているようで す。咽がおかしいときはウガイを早めにして下さい。濃いお 茶でウガイをするのも良いでしょう。ウガイも2回目か らはゴロホロ ゴックンすると咽の裏まで洗えますので効果が倍増し ま す。お試し下さい。
 9月30日に天然薬物学分野の教授公募に書類を提出しました。現 在天然薬物学分 野に2名の准教授が所属しています。どのような展開になりますか?教授陣の良識に 懸けたいと思います。


写真(2008年9月21日、薬学部)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部附属薬用植物園
(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)
(薬用植物学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、民族植物学、環境保全・育種),変更日:2008.10.2)
 
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, from 8, May, 2004



 
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