熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2008年7月


サンタンカ (Ixora chinensis )
アカネ科 (Rubiaceae)



『雨の中、晴れ間を見つけ 蝉が鳴き 蒲の根本に ヤゴの抜け殻』(河童)

 左・中:サンタンカ、右:ニオイサンタンカ

 今月の薬用植物は”サンタンカ”です。沖縄の海洋博覧会記念公園 植物園 温室の中に咲いていました。いろんな種類があり香りも違います。筒状の花筒の根本を切って、雄しべ雌しべを抜いて吹くと良い音色がしそうなかわいらしい花です。
 薬用には、花を高血圧、月経不順の改善に使います。また、根も咳止めに、茎葉をリウマチ等に用いるようです。(乾燥したものを煎じて用いますので、生で用いると作用が違うかもしれません。注意)
 サンタンカの花、根は、染色にも用いられています。媒染にミョウバンを用いますと、花で青紫色、根で茶色に染まります。
 沖縄では最近サトウキビ染めという黄緑の奇麗な染め物が売られています。サトウキビでの天然染では緑茶で、鮮やかな黄緑にはならないそうです。鮮やかな黄緑色は合成染料を加えたものだと聞きました。色々な偽装が有りますね、売っている人も理解していなくて商売をしているようです。怖い話ですね。(食べ物ではないのでまだ良いか??)
 沖縄の三大名花は、サンタンカ、デイコ、オオゴチョウだそうです。この前始めて知りました。

 民間薬の用い方について一言。昨今良いから、副作用がないからなどと言って、むやみに沢山摂取する人がいます。そのお陰で、良いものも危ない危ないと言われるようになります。薬は適切に使えば”薬”、不適切、多量に用いると”毒”に変わります。良く効くからと言って量を増やすのではなく、少し増やして、もう少し良くなったら、その量を維持するか、もしくは少し減らしても同じぐらいの改善が有るかを確かめ、最終的には、薬は飲まず、食だけで未病改善をして下さい。

 学生は勉強真っ最中で、8月11日まで前期です。夏休みは9月30日までです。7月に入り、講義室はエアコンフル稼働ですね。研究室は節電し健康に配慮しています。
 小生、熊大薬学部にきて25年目、最初は生薬学研究室、次が創薬基盤分子設計学研究室(旧薬品製造工学)、現在は薬用植物学分野(薬用植物園)[本当は天然薬物学分野(元生薬学研究室)所属]です。色々有りましたが、学部も大学も替わらず熊本大学薬学部に居ます。お陰で、”今月の薬用植物”のホームページも13年目になり、今回で149回になりました。薬用植物園に移動して6年目、1年目は創薬基盤分子設計学研究室でお世話になりました。2年目から4年生2名が配属され、それなりの研究を開始しましたが、なかなかでした。今年4月からは学生・研究員8名となり、狭いところで、学生は実験台・勉強デスク争奪に追われておいります。楽しいですが、なかなか大変ですね。

 蒸し暑くなってきました、寝冷えには御注意を、中(腹)を冷やすと寝冷えをします。蒸し暑いですが、たまには汗をかいてすっきりして下さい。お腹をきちんと温めている金太郎の腹当スタイルは理にかなっていますね。外から胃から冷やしての冷房・冷飲食病にも注意して下さい。少しクーラーの温度を上げて、温かいお茶でもお飲み下さい。夏バテ防止に、冷たいビールの飲み過ぎも”夏バテの弱った胃”を作る原因になります。 皆さん”元気で長生き、ポックリと死にましょう”。


 大学は、大学生・大学院生の1/3が未成年です。構内からタバコの自動販売機は撤去すべきです。大学キャンパス内も全面禁煙にすべきでしょう。特に薬学部は、医療現場で禁煙支援を行う薬剤師教育を行う現場として全面禁煙がではないでしょうか。 禁煙は愛です。  

 植物保護の園として”植物園の保全活動に対する国際アジェンダ”に登録しました。植物園自然保護国際機構(BGCI)から プレートを頂きました。 
 また、日本植物園協会の”植物多様性保全拠点園”でもあります。  NPO阿蘇花野協会に入り学生とともに草原再生を行っています。楽しいですよ。賛助会員募集中。 

写真(2008年6月6日、沖縄海洋博覧会記念公園 熱帯・亜熱帯都市緑化植物園) (資料,写真・文章責任 薬学教育部・附属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)
(薬用植物学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学、臨床生薬学、民族植物学、環境保全・育種),
変更日:2008.7.3)
 
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, from 8, May, 2004



 
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