熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2008年4月


トチュウ (Eucommia ulmpides )
トチュウ科 (Eucommiaceae)



『ナワシログミ 熟した実のうら 毛虫食べ ダイオウグミの 花香る季(トキ)』(河童)

 御入学おめでとうございます。花冷えが二週間続いたお陰で、桜がまだ満開です。3月20日前からのエドヒガンサクラから始まり、ソメイヨシノ、オオシマザクラと続き、これから八重桜が咲き始めます。来週一杯は楽しめそうで、薬用植物園と体育館の間の街灯の下は毎日お花見のバーベキューで賑わっています。
 今日(4日)は入学式、入部式ですので、昨日(3日)は100名近くの学生さん、職員で玄関前の大楠の落ち葉の大掃除をしました。一声かけると参加してくれるのが熊薬の良いところで、1時間足らずで終りました。植物園も一緒に掃除して下さったので奇麗になりました。ありがとうございました。
 猫除けネットも一部はずしました。”芽を出し始めましたので、足元に注意し植物を踏まないように観て下さい。”

 前置きが長くなりましたが、今月は”トチュウ”です。雌雄異株の落葉高木です。写真左が雌花、右が雄花です。樹皮を薬用として”杜仲(トチュウ)”といい、”肝腎を補い、筋骨を強める”とされ、強壮に用い、また高血圧を治すと言われています。成分は、割ると白い糸をを引く”グッタペルカ(天然ゴムに似た化合物)を6−10%、イリドイド配糖体(geniposidic acid)などが含まれています。杜仲茶として用いられる葉には、他にリグナン配糖体(syringaresinol di-O-glucoside)、フラボノイドなどをが含まれています。杜仲茶の研究は、広島県因島の日立造船が行い、町興しになりました。しかし現在、別の会社が杜仲茶を、血圧を下げる効果がある特定保健用食品として販売しています。日立造船は販売網を持たなかったため、開発はしたが、販売が伸びず撤退してしまいました。
 現在はトチュウのグッタペルカ(トランスーテルペノイド重合体。普通の天然ゴムはシスーテルペノイド重合体)の研究も進められています。
 薬用植物園には60年位の雄木と20年ぐらいの雌木が有ります。葉が必要な人は、秋に採りに来て下さい。

 薬用植物園のメンバーが変わりました。技術職員は、宮下さんと、新しく本田さんです。これまでにも増してもっと仕事をし、奇麗に分かりやすい園になるようにしたいと思っております。

薬用植物学分野(研究室)も、院生(D1:1, M2:2, M1:2)、学生(4年:2)、外国人特別研究員(Nepa:1)で8名に膨れ上がりました。4年生コースの3年生の配属で、かっこよく来なくて良いなどと小さい声で言ってはみたのですが、今後どうなりますか。学生が増えると私の居る部屋が無くなりそうです(外の圃場で傘をさして仕事しようかな)。

花爛漫、お時間が有りましたら、お立寄り下さい。花、虫(蝶)、鳥がいっぱい居ます。


禁煙は愛です  

植物保護の園として”植物園の保全活動に対する国際アジェンダ”に登録しました。植物園自然保護国際機構(BGCI)から プレートを頂きました。  

写真(2008年4月3日、薬用植物園にて) (資料,写真・文章責任 薬学教育部・附属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)
(薬用植物学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学,臨床生薬学,環境保全学),
変更日:2008.4.4)
 
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, from 8, May, 2004



 
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