熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2008年2月


きんかん(Fortunella japonica Swingle var. margarita Makino)
みかん科(Rutaceae)



『早春の 暖にさそわれ 水浴びる メジロたちの うた楽し』(河童)

 今年は早々にセリバオウレンの花が咲き始めました。大寒の日に落ち葉を除いていたら花穂を見つけました。 早いですね。
”オウレンの花を観る会”を2月中の平日行います。お立ち寄りください。花の大きさは1cm位です。  岡山の従姉から今年に入り2回も雪が積もったとの写真つきメールが届きましたが,熊本は大雪注意報が出た阿蘇山頂で3cmの積雪でした。市内は積もっていません。そのお陰で,ホトケノザ,カラスノエンドウ等が大きくなっています。ハナダイコン(本当の名前はオオアラセイトウ)が1月中旬から花をつけています。「ロウバイの香りが夜になると香る」と修士1年の加菜ちゃんが言っています。春を告げる植木市も始まりました。園内もスイセンが満開で,ボケの花も咲きだし,春でしょうか?
 今月は”キンカン”です。ミカンは皮を捨て,果肉を食べますが,キンカンは皮を食べ,果肉は普通は食べませんね。キンカンは民間薬で咳止めに用いられています。果実を砂糖と煮てその煎液を用います。キンカン果実の蜂蜜漬け・砂糖漬けを作っておいて,子供さんの咳の時に飲むと効きます。大人も効きますよ。中国では,果実を”金橘(キンキツ)”,葉を”金橘葉”,根を”金橘根”,種子を”金橘核”といいます。金橘は性味:辛甘・温,気をととのえ,鬱(うつ)を解き,痰を和らげ,酒をさます,皮が特によいと記されています。金橘核は酸苦・平,眼の疾患,喉の麻痺を治す等が記されています。金橘根は酸苦・温,気を巡らす,胃痛による嘔吐,子宮下垂等に良いはずです。金橘葉は辛苦・微寒,肝気鬱血を和らげるとありますので,気の滞りによるイライラ,頭痛,胸脇部の重苦しさ等を除いてくれるはずです。日本では葉を魚毒の解毒に用いるというのがありますが,如何でしょうか。またキンカン果実の水蒸気蒸留液を金橘露(キンカンロ)といい,イライラ,怒りやすく,消化器系の調子の悪い人の,消化機能を調え,嘔吐を治し,イライラ等に効果があると記してあります。キンカンはほとんどの部分が薬用として用いられまますね。
 キンカン果実の塩煮は,身が柔らかくなり甘く美味しいです。

春の七草セットを生協においてみました。皆さん見てくれているかな?
熊本市内では雪は降りませんが,寒暖の差が激しい時期です,風邪には気をつけて下さい。

ハスの根茎,レンコンと,茎の切片の写真です。細川藩の” 九曜の紋 ”と同じ穴の数です。 小さいのが1−2個 あります,これが水面に近いほうですね。今年はハスの茎でシャボン玉に挑戦してみます。どんなシャボンが出来るかな? 昨年,薬用植物園で咲いた 大賀ハス です。


禁煙は愛です  

植物保護の園として”植物園の保全活動に対する国際アジェンダ”に登録しました。植物園自然保護国際機構(BGCI)から プレートを頂きました。  

写真(2007年1月,家にて) (資料,写真・文章責任 薬学教育部・附属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)
(薬用植物学分野)  矢原 正治(専門:薬用植物学,臨床生薬学,環境保全学),
変更日:2008.1.31)
 
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, from 8, May, 2004



 
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