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今月の薬用植物
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2007年10月

サンショウ(Zanthoxylum piperitum (L.) DC.)
ミカン科(Rutaceae)



『30℃の 暑さの中で ススキゆれ 阿蘇の花野に サイコ咲く』(河童)

 ついに8月、9月の61日間に、最高温度が30℃を切ったのが、9月30日一日だけでした。また10月も30℃をこす暑い火(日だった)が続いています。今年は台風が来なかったので稲作の作況指数は平年並です。

 今月の薬用植物は阿蘇の民家の庭先で見つけたサンショウです。写真はトゲが無かったので九州に多い栽培種のアサクラサンショウ (Zanthoxylum piiiiperitum f. inerme)でしょうか。なかなか可愛い実をつけます。花は小さいので見過ごしてしまい写真を撮影していませんでした。
 薬味として葉、未熟果実を用います。木の芽あえ、田楽味噌等々。
薬用は成熟果実で、新しく香気および辛味の強いものが良品とされます。辛味成分はα-sanshool 等で、魚毒作用もあります。香りの成分はリモネン 、シトロネラール等です。中国では花椒、蜀椒と呼ばれるZanthxylum bungeanumの成熟果実の果皮を用います。香りは中国産の方がきつくて強く、日本産はマイルドな香りがします。価格は日本産の方は数倍高価です。処方では大建中湯[蜀椒、乾姜、人参、膠飴(水あめ)]、元旦に飲むお屠蘇の元の屠蘇散(桂皮,花椒,陳皮,桔梗,防風,蒼朮,丁子)に用います。味は辛、性は温で、風邪(ふうじゃ)の気を除き、中(お腹)を温め、麻痺を去り、気を下す等の作用があると記されています。
 屠蘇散は毎年300個以上作って皆さんに分けています。今年は12月17日に作る予定です。御興味のある方は御参加下さい。当帰生姜羊肉湯の鍋等で忘年会も一緒にします。
 ”サンショウは小粒でピリリと辛い”、その逆が”ウドの大木”でしょうか? 差別用語だという人もいるかもしれませんが、区別するためには良い言葉かもしれません。皆さま如何でしょうか???

10月のカレンダー(ニラ)    

禁煙は愛です  

写真(2007年9月16日阿蘇にて撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・附属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)(薬用植物学研究室)
矢原 正治,2007.10.2)
 
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, from 8, May, 2004



 
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