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今月の薬用植物
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2006年5月

さんざし   (Crataegus cuneata)
ばら科 (Rosaceae)


”『鉢の下 百足大きく 冬を越し 活動始める 初夏の日和』”(河童)

 今月はサンザシです。熊本ではあまり見かけません。涼しいのを好む植物です。サンザシ(山査子)と聞かれて何をイメージしますか? 私は中国で食べるお菓子が出てきます。中国に行ったとき最初のうちはお土産で、よく買っていました。中国では美味しいと感じますが、日本に帰ると皆さん美味しいとはいってくれません。何故だろうと思いながら食の内容を考えると納得します。中華料理のこってりした食事の後には美味しいと感じますが、日本料理のサッパリ味の後は、旨味を感じません。やはり食にあったデザートを取るべきですね。
 本題に入ります。今月のサンザシは、果実を生薬として用い”山査子”と言います。味は酸甘、性質は微温です。消化不良による胃のもたれ、下痢、産後の血液のうっ滞、小児の消化不良等に用います。山査子と人参(薬用)で食欲増進の作用があります。漢方では化食養脾湯、啓脾湯、加味平胃散に配合されています。中華料理の後、デザート、お菓子で食べるのは理に適っているのでしょう。

 南阿蘇の草原も春です。フデリンドウ、フクジュソウ、キスミレ、キジムシロ、ヒトリシズカ、ツクシシオガマ、ヤマエンゴサク等が咲いています。5月に入ると、ハナシノブ、ヤツシロソウ、サクラソウ等が大きくなってきます。
 北外輪の草原では、ハルリンドウ、ヒトリシズカ、キスミレ、サクラソウ、フクジュソウ、ジロボウエンゴサク等が咲いています。
 ワラビも取り頃です。花々は、取らないで観るだけにして下さい。花が終わると種子ができ、次の世代へと続きます。調査観察に出かけるのが楽しみです。

 ”この時期、芽立ちを踏んづけると、芽が折れたり、起き上がっても花が咲きません、草原を歩くときは足元を良く観察して歩いて下さい。” 夏〜秋の花野を楽しみに


写真(薬用植物園、花 2006年4月、果実 2006年2月 撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・附属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)(薬用植物学研究室)
・矢原 正治,2006.5.1)
 
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, from 8, May, 2004



 
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