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今月の薬用植物
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2006年2月

とうわた   (Asclepias curassavica)
ががいも科 (Asclepiadaceae)



春節おめでとうございます.


パキスタンの災害地も少しずつ春めいてきているとのことです、しかし現場ではまだまだ寒さをしのぐことも出来ない現状のようです、可能な方はご支援下さい.
パキスタン大地震支援ホームページ  

”『春日和 太陽の 恵みを受けて 蒲穂の綿毛舞う』”(河童)

 三寒四温、日に日に暖かくなっています、植木市も始まり春の準備です。しかし寒波も後何回か来そうで、暖かいと思って芽を急に動かした植物は寒波で若芽が痛みます。それでも新しい芽を出し、花を咲かせ、種子を着けるのが植物です。一度根をおろすとその場から動くことが出来ません。猫に、虫に、鳥に、病害虫に、人間にいじめられても遺伝子をどうにかして繋ごうとします。それだけ植物は偉いし強い生物です。その力を人は巧く利用して生きてきましたが、近代農業は植物の力を、農薬、温室等で弱め、人は、見かけ、口当たりの良いものを食し、本当の植物の知恵を利用できなくなっているのかもしれません。人間は進化ではなく滅びの道を歩んでいるように感じます。しかしそういっても人生楽しく、汗を少しかいて、感動し、倫理感、正義感、そして健康感をもって生きないといけませんね。

 今月は植物を巧く利用した蝶のオオカバマダラの食草で有名な”トウワタ”です(カバマダラ属の蝶の食草で、トウワタの毒を体に取り込み、鳥などの天敵から身を守ります)。上の構造式のような強心配糖体を含みます。薬用植物ですが、毒草ですので花を鑑賞するだけにして下さい。中国名を蓮生桂子花(レンセイケイシカ)と言い、性味:苦、寒。効能は、消炎し清熱(身体の内部の熱を冷ますこと)する、血を活かし止血する作用がありますので、扁桃腺炎、肺炎、気管支炎、尿路の炎症等に用いられているようです。
 道端で雑草として見かけられる毒草に、今月のトウワタ、チョウセンアサガオ (H17.2月)が有ります。園芸植物として売られ、それが雑草化しています。昔の子供たちは食べてよい植物と、食べてはいけない植物(毒草)、美味しい植物、まずい植物を知っていました。IT時代ですが伝承が悪くなっています。人間の自然に対する知恵を機械が越したのでしょうか?
 還暦の60才を過ぎると老人、年寄りと言われます、しかしまだまだ30年近くある人生、新しい始まりでもあるわけです。人間みんな遺伝的に病気の遺伝子をもっています。成長と老いは生まれた時にスタートしています、健康感をもって生きれば良いのではないでしょうか。臍を1°上に向けて歩いてみませんか、元気が出ます。



写真(薬用植物園 植物 2002.5 撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)(薬用植物学研究室)
・矢原 正治,2006.1.31)
 
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, from 8, May, 2004



 
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