熊本大学薬学部
 
  トップページ / 今月の薬用植物
ワード検索
今月の薬用植物
バックナンバー薬用植物園

2006年1月

さねかずら (Kadsura japonica Dunal)
もくれん科 (Magnoliaceae)



新年明けましておめでとうございます.


マイナス20℃位の寒さに震えています、可能な方はご支援下さい.
パキスタン大地震支援ホームページ  

『植物を 知れば知るほど 夢大に』(河童)

 2006年の初めの薬用植物を何にしようかと悩みつつ,草刈りの時に赤い実を見つけました.夏が暑かったせいか少々小振りで,どうにか球形の集合果実で,急に寒くなったせいか色づきが今一歩です.(写真右中央の円錐型の蔓植物がサネカズラ)
 サネカズラで思い出すのは,小倉百人一首の「名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな」(三条右大臣)の歌があります.サネとは実のことで,美しい実のカズラ(葛)という意味です. 別名ビナンカズラ(美男葛)ともいいます.これ蔓の皮の粘汁を水と混ぜて頭髪を洗うと美しくなるからといわれています.美男葛と言うのは,女性の髪はサネカズラの世話にならなくても美しいからでしょうか? 実際は男女ともに用いていたようです.他にヒメカズラ,ビンツケカズラ,ナメカズラ,トロロカズラ等の方言かあります.サネカズラ属のラテン名「Kadsura」は日本語の葛(カズラ)をラテン語化したもので,学名を訳すと”日本の葛”でしょうか.
 薬用としては果実を乾燥し(南五味子)、その1-2個(5g程度)を水200mlで煮,果実がとろとろになったところで火を止め,布でこして,適量の砂糖を加え,砂糖が溶けるまで温め,冷やして服用すると鎮咳,強壮の効果があります.

 18年度から薬学部が6年制になります.また私立薬学部の新設ラッシュが続いています.10年後の薬剤師の質が問われるスタートの年です.薬剤師が本当の医療人として認められるためには,”体調が悪いときはまず薬局で薬剤師に相談する”,このシステム作りが絶対に必要だと考えます.そのための6年制だと私は考えています.薬学部では基礎教育をおろそかにぜず,薬剤師が薬を選べる(処方できる)OTC薬,漢方薬の教育もきっちりすべきでしょう.例えば食に関しての指導もできる薬剤師を増やすべきです.社会にいろんな化合物・食が氾濫している昨今,これらの安全性に関しての啓発ができるのは薬剤師しかいなのですから.<薬剤師教育元年>、基本の充実が大事な時期です.


写真(薬用植物園 植物 2005.12、雪景色2005. 12/22 撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)(薬用植物学研究室)
・矢原 正治,2005.12.31)
 
トップページへ戻る


, from 8, May, 2004



 
当ウェブサイトの著作権は、熊本大学薬学部に属します。 掲載内容および画像などの無断転載を禁止します。
熊本大学ホームページへ 医学薬学研究部へ サイト案内