熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
バックナンバー薬用植物園

2005年11月

とうねずみもち (Ligustrum lucidum)
もちのき科 (Oleaceae)


可能な方はご支援下さい.
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『日に日に 紅にかわりゆく 桜の葉』(河童)

 11月に入り朝夕寒くなってきました。まだ霜は降りていませんが、降るのも時間の問題です。ニーム(インドセンダン)など亜熱帯の植物の冬支度です。その中でネズミモチの果実が少しずつ大きくなり11月終り頃には黒く色付いてきます。
 今月の薬用植物はトウネズミモチです。かわいそうな名前です? トウは唐(中国の)で、モチはモチの木に似ており、ネズミのウンコの様な色形の果実であることからついたのでしょうか。果実をマウス(家ネズミ)のウンコと比べると、たしかに良く似ていますね。
果実を乾燥したものを女貞子(ジョテイシ)と言い、苦甘、平の性味で、中国では肝腎を補い、腰や膝を強める等の目的で用いられます。樹皮も酒にしたし足腰を補うのに用い、葉は目を明らかにし、腫れを消す、止痛する等の作用があります。日本でもトウネズミモチ、ネズミモチ(和女貞子)の果実を、強壮、肝腎を補うのに用いています。長崎県でネズミモチの果実のコーヒーを頭髪がはえると言っていただいたことがありますが、一杯飲んだだけなので頭髪の少なくなるのは止まっていません。
 九大にいるときに、女貞子ノ成分を分けていくと生理活性が無くなった、混ぜると出てきたという話を伺いました。植物成分の相互、相乗作用の妙を強く感じました。
 植物は一度根を張るとそこから動くことはほとんど出来ませんね(動物は移動できます)。そうなると、その環境に適応し、遺伝子を未来へ受け継ぐ手段を一生懸命考えているのでしょう。毎日植物を観ていて、植物はいろんな知恵を持っていることを感じる毎日です。
皆さんも薬用植物園に来て、四季の植物の変化、場所による違いを、観て、触って、香って、味わって観て下さい。またそこには虫達も一緒にいます。楽しいですよ。新しい発見が一杯あります。

”笑う門には福(健康)来る”


★★センブリが大きくなってきました、 ”皆さんがセンブリを採取するときには種子を落して取って下さい.”★★
種子ができる11月になっても効きめは変わりません.
今の採取状態ですと、阿蘇のセンブリがここ数年で無くなります.
人々が健康でいるためにも自然が健康でいて欲しいです.御協力下さい.


写真(薬用植物園  2005.11. 撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)(薬用植物学研究室)
・矢原 正治,2005.11.7)
 
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, from 8, May, 2004



 
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