熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
バックナンバー薬用植物園

2005年6月

あかまつ(Pinus densilfora)
まつ科 (Pinaceae)


『雨乞いの河童も口を天に向け』(河童)

 5月20日に照る照る坊ずをつるして、そのままにしているからでしょうか、一向に雨が降りません。トンボのヤゴが沢山いるガマの水槽の水が干上がっていましたので、昨日水を入れました。ガマも穂(花)を出しています。
 第4回薬用植物を知ろうin熊本は、皆様、薬用植物園の職員、学生、3年生の御協力で無事に終わりました。21日152名、22日110名の参加者が有りました。お礼申し上げます。又、その光景をKAB熊本朝日放送が”ふるさと情報局”で取り上げていただきました。来年は秋(10月)を予定しております、その時もまた御参加下さい。
 今月の薬用植物は、阿蘇青年の家近くの牧野で撮影した”アカマツ”です(写真左)。アカマツは、樹脂からテレピン油を、又樹脂は排膿に、テレピン油を蒸留で除いた残渣の固形物をロジンとして、絆創膏、硬膏の基剤、野球選手が用いているロジンバックのすべり止めに用います。マツの枝や幹の節を止痛に、松葉を降圧、通便に用います。松寿仙という民間薬には、松葉、熊笹、人参が入っています。薬用植物を民間薬で用いるときは環境の良い場所を探して必要量だけ採取して下さい。但し、他人の山、草原に勝手に入って、失礼のないように注意しましょう。
 アカマツといえばクロマツを思い出します。写真右がクロマツです。一般に葉に触ると葉が柔らかいアカマツはほとんど痛みを感じません。しかし、クロマツは葉が硬く刺さるような痛みを感じます。花も、実も違いますね。樹皮はアカマツは赤褐色、亀甲状に浅い割れ目、クロマツは暗褐色、深い割れ目が基本です。 松ぼっくりは赤褐色と黒褐色です。分布は、アカマツが内陸部、やせ地、乾燥地、北方温帯で優勢です。クロマツは海岸線で潮風に強く、南方温帯に生息します。しかし、人間が色んなところに植えていますので阿蘇青年の家近くの牧野にも両方が生えていました。
 校内には、ダイオウマツ、アカマツ、クロマツがあります。ゴヨウマツが東門から入った通路に有りましたが、松くい虫で枯れてしましました。

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 樹木の下に見学コースを作りました。足元に色んな植物が生えていますので、上ばかり観ないで、足元にも気を付けて見学して下さい。御協力をお願いいたします。

 NPO法人「阿蘇花野協会」(潮谷愛一理事長)が発足し、野焼き、盗掘防止パトロールを兼ねて観察会を行っています。”NPO法人「阿蘇花野協会」に参加されたい方々は、矢原まで御一報下さい。(年会費3000円、学生1000円) 

写真(薬用植物園  2005.5.8 撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)(薬用植物学研究室)・矢原 正治,2005.6.1)
 
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, from 8, May, 2004



 
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