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2005年2月
ケチョウセンアサガオ (Datura inoxia)
なす科 (Solanaceae)
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『春節にモグラもオケラも顔を出す』(河童)
写真左:ケチョウセンアサガオ、右:コダチチョウセンアサガオ(木立チョウセンアサガオ)
北京に19日間(1/17〜2/4)行っていました。空気が乾燥していて、咽を痛めてしまいました。帰国してから阿蘇に行き、更に風邪を引き、あえいでいます。皆様はお元気ですか?
このような事情でHPの変更が大変遅くなりました。今年は華岡青洲が世界で初めて全身麻酔をし、乳癌の手術をしてから201年目ですので、今月はダツラを取り上げました。
全身麻酔に用いた麻酔薬、通仙散は、曼陀羅華〔マンダラゲ〕、附子(ブシ)を主植物とし構成されていたと言われています。この中の曼陀羅華がダツラです。
今回取り上げるケチョウセンアサガオ(=アメリカチョウセンアサガオ)は、アメリカ原産で、葉に毛が多く、白く見えるところから名前が付けられています。花がトランペットのラッパの形をしていることから、Engel's Trumpetとも言われています。ダツラ属植物は、麻酔剤、鎮痛剤に用いられますので、毒性も強いのですが、花が奇麗なこともあり花屋さんで売られ、また大変強い植物ですので昨今庭などに多く植えられています。ダツラ属の成分はアトロピン,スコポラミン等で、眼科で瞳孔拡大に用いられます。庭に良く植えられているチョウセンアサガオの葉を草取りなどでもんで、その汁がもし目に入ったら大変、瞳孔が開き、蛍光灯が太陽を直接見た明るさになってしまいます。華岡青洲の妻が通仙散の実験で失明したのは理解できるのではと思います。冬になると地上部が枯れ、根だけが残ります。その根がゴボウに大変似ており、色白のゴボウと思い鍋料理にいれ、救急車で運ばれるケースが毎年有るようです。おかしいと思うものは、安易に食べないようにしてください。
有毒部分:全草、特に種子、根には有毒成分が多く含まれます。
ダツラ属は、毒草ですが、れっきとした薬用植物です。毒も使いようではクスリになる例です。
北京市植物園、温室の植物。 ダツラ属(名前が怪しい)、 名前が怪しい?、サボテン、
★★通学の時に薬用植物園の通路を歩るくと,知った花,知らない花が咲いています.いろんな講義で出てくる,”薬の元になる成分”を含んだ植物も多くあります.週に一回ぐらい薬用植物園の道を歩いてみて下さい.5月初めの薬草園1、5月初めの薬草園2
薬用植物園で植物の枝,果実,植物を持っていく人が後をたちません.心無い人がいるものです.教育・研究に多大な支障をきたしますので、観るだけにして下さい.御協力をお願いします.
御来園の時は、管理棟前にある御来園簿にお名前を御記入下さい.御協力をお願いします.
写真(薬用植物園 2003年10月、新宿御苑 2004年5月、北京市植物園2005年1月30日 撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)、・矢原 正治,2005.2.10)
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