熊本大学薬学部
 
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今月の薬用植物
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2004年9月

わた ( Gossypium sp. )
あおい科 ( Malvaceae )


『あきあかね阿蘇でススキと風遊び』(河童)

9月に入りすっかり秋の気配です.オミナエシ,クズ、キキョウなど秋の七草が8月の初旬から薬用植物園では咲き始めました.8月11日に10月3日の第3回薬用植物を知ろうin熊本の阿蘇の観察コースを3時間半かけて歩いてきました.ススキ,オミナエシ,クズ,ナデシコとハギの仲間などが花をつけ始め,アキアカネ(赤とんぼ)が涼しそうに風に吹かれ,放牧の牛のまわりを飛んでいました.
 今月は,千葉県成瀬の歴史民族博物館に”海をわたった華花”の展示を見に行った折,隣接する植物苑で撮影した”わた”です.昨今は小学校の観察園に植えられているぐらいです.薬用植物園では総合研究棟の東に植わっています.薬用としては,種子を母乳の出をよくするために5g位を400−600ccで1/2に煎じ服用したようです.ワタの種子(綿実)の有毒黄色色素に,上の構造式のGossypolがあります.化合物群はセスキテルペノイド(sesquiterpenoid) の2量体で,食べると出血性胃腸障害を起します.また,抗菌,殺虫作用,男性避妊作用が報告されています.
 ワタは、わが国には延暦18年(799年)に伝来したと言われています.明治中期には10万haで栽培されていたようですが、現在は観賞用などに植えられているだけです.ワタの綿毛は紡績原料、ふとん綿、火薬・セルロースの原料など.食用としては、綿実油、マーガリン、石鹸等の原料、綿実粕は飼料、肥料に用いられています.

 お近くにおいでの折は、”心のやすまる”薬用植物園(味噌天神からすぐ)にお立寄り下さい.お待ちしています.
 暑さ除けのため雑草もたくさんはえていますが、雑草の中にも薬草があります.

 8月中旬、ウコンの花、ようやく大きくなったヘビウリ等が無くなりました.心無い人がいるものです.教育研究に多大な支障をきたしますので、観るだけにして下さい.御協力をお願いします.

御来園の時は、管理棟前にある御来園簿にお名前を御記入下さい.御協力をお願いします.

写真(千葉県成瀬の歴史民族博物館植物苑にて 2004年8月7日撮影)
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)・矢原 正治,2004.8.20)
 
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, from 8, May, 2004



 
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