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2003年12月

とうがん(Benincasa hispida)
うり科(Cucurbitaceae)


『冬支度 冬瓜の煮物を食べて 身体冷え』(河童)
 ようやく冬らしくなってきましたといいたいのですが、熊本は日中相変わらず20度近くになっています.11月22日に阿蘇山には初冠雪が有りましたが、その後はまた暖かく、早いものでスイセンの花が咲きだしました.イチョウの葉がようやく色づき、黄色の葉を散らせています.サザンカも満開です.

 今月は、冬瓜(トウガン、トウガ、カモウリ)です.冬の瓜と書きますが、夏の暑いときに果実をつけます.食すと身体を冷やし、夏の暑い時期の食べ物です.夏野菜ですが保存性良く冷暗所に保存すると冬まで持つので冬瓜と言われているようです.
 原産はジャワ島といわれ、日本でも古くから栽培されています.果実の表面に蝋をふくものと、写真のように緑で剛毛が有るものなどがあります.写真の果実は7kg有り、大きいものは20kg位になります.種子は元菊池養生園園長の竹熊先生が沖縄からもらってこられ栽培されているものをいただきました.「冬瓜の花は咲いても百に一つ」という言葉があるようで、一つの蔓に無数の花をつけますが結実するのは数個で、無駄花、アダ花が多いことの例えになっています.逆に「親の意見と茄子の花は,千に一つの無駄もない」といわれるナスとは正反対です.
 薬用には、種子を用います.生薬名を『冬瓜子(トウガシ)』といいます.薬味・薬性は、『甘、微寒』.薬効は、肺を潤し、痰を除く、化膿性の腫れ物を治す、利尿し水分代謝をよくする等の作用が有り、大黄牡丹皮湯(桃仁、牡丹皮、大黄、冬瓜子、芒硝)に配合されています.
 風邪が流行ってきました.SARSも心配です.予防の基本は基礎体力をつけておくことでしょう.基本の1)ストレス、疲労を残さない.2)野菜類は温めて食べる.2)背中を冷やさないように気を付けることが肝心です.
 もし、背中がゾクと来たら、すぐ身体を温めて、汗をジワーと出し、特に背中が冷えないように温めて養生を半日もすれば治ります.風邪薬を飲んだからと言って、飲み会等に出かけると治るどころか風邪を引き込み、ひどいめにあいます.たった半日、数時間の養生と、きちんとした食事で、楽しい生活が送れます.皆さん試してみませんか??  

写真2003年11月8日(熊本大学薬学教育部附属・薬用植物園にて)撮影
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)・矢原 正治,2003.12.1)
 
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